研究課題/領域番号 |
63570907
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小木曽 誠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70126217)
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研究分担者 |
塩田 真 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90196353)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アパタイト顆粒 / インプラント / 顎堤挙上 |
研究概要 |
apatite人工歯根の開発研究を、十数年来行なってきた結果、apatite人工歯根の臨床応用に際し、適応の可否を決定する最も重要な局所的基準は相当部の顎堤構造の維持の程度であることが明らかになった。したがって従来は、顎骨の高さがかなり減少している顎骨に対しては、apatite人工歯根の応用は困難であった。そこで,そのような顎骨に対し骨形成が良好なマイクロポアを有する多孔質apatite夥粒を用いて顎堤を挙上するとともに、挙上域に骨形成を促し、それによりapatite人工歯根の適用を可能とすることを目的とした動物実験を行ない以下の知見を得た。 実験方法は、下顎両側P_3、P_4およびM_1の抜歯窩が完全に治癒した雑種成犬の下顎骨に対し、多孔質apatite夥粒5cc〜6ccを用いて近遠心的に約4cmの範囲で顎堤挙上を行なった。挙上4ヵ月後、挙上域において、apatite人工歯根の歯根部(径5.5mm、長さ11.0mm)を片側あたり3本完全埋入した。歯根部埋入後一定期間で相当部顎骨組織を摘出し、樹脂包埋による未脱灰薄切標本を作製し、トルイジンブルー染色を施した後、光学顕微鏡により観察を行ない以下の結果を得た。 挙上域では顎堤粘膜に隣接する部分を除き、殆どの領域で良好な骨形成がみられた。元来の顎骨頂に近い頬側面および舌側面では添加されたapatite顆粒の密度が高く骨形成量も多いが、顆粒によって挙上された顎骨頂側においては顆粒が拡散し、太い骨梁が網目状に形成され、それら骨梁内に顆粒が散在状に封入された状態となっていた。また、顎堤挙上の高さが約10mm程度におよび領域に適用された人工歯根は、その中層以深において人工歯根表面周囲に良好な骨が形成されるとともに、挙上域に形成された骨と連絡している部分が各所にみられた。 以上の結果から、顎堤が吸収した部位にapatite顆粒で顎堤挙上を行ない骨形成を促した後、人工歯根を適用することの可能性が示唆された。
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