研究課題/領域番号 |
63570926
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阪本 真弥 (坂本 真弥) 東北大学, 歯学部, 助手 (90157686)
|
研究分担者 |
清水 義信 東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
丸茂 町子 東北大学, 歯学部, 講師 (10005027)
三条 大助 東北大学, 歯学部, 教授 (70013943)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 抗唾液腺管抗体 / 抗核抗体 / ヒト唾液腺導管樹立細胞 / シェ-グレン症候群 / シェーグレン症候群 |
研究概要 |
シェ-グレン症候群(SjS)は、病理組織学的には、唾液腺、涙腺の導管および腺房内の著しいリンパ球浸潤を特徴とし、やがて腺房の破壊、萎縮により、外分泌機能が低下することによって乾燥症状を呈する。このような変化は、その機序に免疫機構の異常が存在することが指摘され、患者血清中に出現する抗唾液腺管抗体(ASDA)、抗核抗体(ANA)等の自己抗体は、疾患特異抗体として診断上注目を集めてきた。従来、ASDA、ANAの蛍光抗体法による検出には、ヒト、ラット、マウス等の組織凍結切片がsubstrateとして用いられてきたが、この方法は作業の煩雑性、対応抗原として一定条件を得ることの困難性、非特異的反応が強い等の数々の問題点があった。そこで、我々は、唾液腺培養細胞に腫瘍ウィルスであるSV40を感染させて、トランスフォ-メ-ション細胞を作り、クロ-ニングをして樹立したヒト唾液腺導管樹立細胞(HSD細胞)をsubstrateとして用い、SjS血清を反応させ、蛍光抗体間接法によりASDAとANAの検出を行った。その結果、 1.ASDA陽性率は、確実例78%、疑い例0%であった。 2.小唾液腺導管周囲のリンパ球浸潤が高度な症例では、ASDA、ANA陽性率が高かった。 3.ANA陽性率は、確実例87%、疑い例5%であり、ANA染色パタ-ンも明瞭で、斑紋型、均質型、辺縁型の3型に分類できた。 4.ANA斑紋型陽性率と小唾液腺病理所見、耳下腺造影所見、唾液分泌量、口腔乾燥症状等の臨床検査所見との間には、明確な関連性がみられた。 以上の結果より、HSD細胞をsubstrateとする新しいASDA、ANAの検出法は、検出感度が高く、観察条件にも優れ、SjSの血清学的診断にきわめて有用であることが確認された。
|