現在までの結果及び考察 心臓用ペースメーカーを、口腔粘膜でも使用できるようにし、口腔内電極と接続できるように変更、出力をブラウン管モニターで確認できるる装置に改造した。 次いで予備実験で一応の安全性の確認後、口腔内電極の操作性、面積等、針電力を皿電極を特注、さらに密着性、接触的の感触、異和感、清潔度、消毒等について改善を加えほぼ満足できる状態にした。 実用にあたって、安全性、刺激時の電圧、間隔、強度、接触する口腔の部位について、10人の健常人を被験者として電気刺激の実験を行った。1分間100回の間剔的刺激を3分間継続することを1セットとして、舌に3分間、舌、口蓋に3分間の計6分間を1日1回行った。電圧は各人が耐え得る最高電圧を選択し5から9Vとした。この刺激を15回(日間)連続して繰返した。通電のチェックは、ブラウン管モニター及び舌筋の収縮によった。 結果は、ワックス片を口の中に入れ3分間しゃぶって混合唾液を集めその量を比較した。刺激前は平均2.5mlであったものが、7回刺激後には3.4ml、電気刺激終了後では4.7mlと次第に増していた。しかも10人全員が増量の蛍光を示し、減少した人は1人もいなかった。口腔内の電極接触部位も、全例、全経過中、発赤、腫脹、疼痛など異常所見を認めたものはなかった。 以上のことから、量的には全員で約2倍の増加で認められ、全員増加の傾向にあったことから、さらに諸条件を討討して満足のいく結果が得られると思われる。さらに現在試みている放射線性口腔乾燥症の患者で臨床症状の改善が観察されていることから実用的範に達しているものと考えられる。
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