研究課題/領域番号 |
63570939
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉田 幸子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (20035702)
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研究分担者 |
原 友則 徳島大学, 歯学部・付属病院, 医員
板東 泰博 (坂東 泰博) 徳島大学, 歯学部, 助手 (00208729)
椿原 宗和 徳島大学, 歯学部附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | インプラント / Pd-Co-Ni系磁性合金 / ラット / 家兎 / 顎骨組織 / Pd-Co-Ni系強磁性合金 |
研究概要 |
Sm-Co磁石、Pd-Co系歯科鋳造用磁性合金を臨床的に応用するに先立ち、Pd-Co-Ni系磁性合金の骨内インプラント材料としての有用性を確かめる目的で動物実験を行った。実験動物としては成熟雌雄ラット100匹および成熟雌家兎30羽を用いた。金属試料としてはPd-Co-Ni系歯科鋳造用磁性合金(38%Pd-24%Co27%Ni10%Au1%Ze)を用い、対照には純チタンを用いた。金属試料はそれぞれ径1mm、長さ2mmのネジ切り型ポストに加工した。ラットの場合は金身麻酔下に両側下顎第一臼歯を抜歯し、右側に純チタンを左側に磁性合金を埋入した。家兎の場合は全身麻酔下に左側下顎骨下縁部にラットと同型のチタンおよび磁性合金を埋入した。 実験期間は両動物とも処置後2間間、1か月、3か月とした。病理組織学的検索の結果ではラットの場合、2週間、1か月では対照群および実験群ともにインプラント体と骨組織との間には炎症性細胞浸潤を伴った線維性結合組織の介在が認められたが、その周囲には著しい骨組織の添加と吸収像がみられた。処置後3か月では対照群は周囲の骨組織と直接接している状態であり、実験群では骨組織との間に一層の線維性結合組織が介在していたものの、炎症所見はなく、一部骨組織と直接接している部分もみられた。次に家兎の場合には、処置後2週間、1か月では対照群および実験群ともにインプラント体と骨組織との間には炎症性細胞浸潤を伴った線維性結合組織の介在が認られたが、その周囲では活発な骨組織の添加と吸収像がみられた。処置後3か月では対照群はほぼ全周にわたって密に骨組織と結合してい球のに対し、実験群の共性合金も骨組織との間に一部線維性結合組織の介在がみられた部位もあったが、炎症所見もなく、大部分密に骨組織と結合し、組織障害はみられなかった。以上の実験結果よりPd-Co-Ni系歯科鋳造用磁性合金は顎骨組織と親和性があるものと考えられ、生体材料として活用できる可能性が示唆された。
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