研究課題/領域番号 |
63570985
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
小泉 徹 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40012611)
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研究分担者 |
高橋 たみ子 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (10115181)
荒井 謙次 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (10115157)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | キラルジエノフィル / キラルスルフィニルエテン / 不斉ディ-ルス・アルダ-反応 / ジアステレオ選択性 / キラル合成 / キラルジェノフィル / キラルスルホキシド / スルフィニルエテン / 生物活性物質 / 不斉環化付加反応 / ディールス・アルダー反応 |
研究概要 |
当研究グル-プで既に開発したキラルリジエノフィル(R)_s-2-methyl-3-(p-tolylsulfinyl)proenoate(A)およびmenthyl 3-(2^pyridylsulfinyl)acrylate(B)とシクロペンタジエンとの環化付加成績体を用い、Aより(+)-epi-β-santaleneのキラル合成を(論文1)、Bより(-)-aristeromysinおよび(-)-neplanocin Aのエナンチオ集約的合成を達成した(論文3)。さらに、ジエノフィルBとフランとの環化付加成績体から(-)-シキミ酸およびエピシキミ酸のキラル合成を完成した(論文2および論文6)。またBとシクロヘキサジエンとのディ-ルス・アルダ-反応を行うことにより、ポリシクロペンタノイド類のキラル合成法確立への道をきり拓いた(論文4)。 一方、10-mercaptoisoborneolを不斉補助基とする新規なキラルスルフィニルエテン類の合成研究を開始し、キラルアセチレンジカルボン酸エステル等価体であるdimethyl(R)_s-2-(isoborneo-10-sulfinyl)acrylate(C)を高ジアステレオ選択的に合成することができた。キラルジエノフィル(C)とシクロペンタジエンの反応はルイス酸存在下、予想通り、高立体選択的かつジアステレオ選択的に進行し、ほぼ一種類の環化付加体のみを与えた。この成績体を選択的脱メチル化、脱スルフェン酸を行い、Ohno's half esterを効率よく得ることが出来た(論文5)。本合成法は炭素環ヌクレオシドの実用的キラル合成法として期待できるものである。 上記の研究の過程で、10-mercaptoisoborneolがキラル補助基として有用であることが示唆されたので、(10-alkylおよびalkenylthio)-isoborneolの不斉酸化を検討し、メタクロル過安息香酸を用いるとジアステレオ選択的に酸化され、目的のキラルスルホキシドを高収率で与えること、またスルホキシドの絶対構造も予測可能であることを見い出した。本法は光学活性スルホキシドの一般合成法として極めて有望である(論文10)。また、10-mercaptoisobornelは光学活性リン化合物合成のキラル補助剤としても有効であることが示唆された(論文9)。 一方、ビニルスルホキシド、ビニルスルホン類およびそのモノフッ素置換体と1-methyl-3-oxidopyridiniumとの極性付加反応を行い、環化付加成績体を変換して2α-トロパノ-ルのラセミ体および光学活性体も合成した(論文7、8)。
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