研究課題/領域番号 |
63570990
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井深 俊郎 京都大学, 薬学部, 助教授 (80025692)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 有機銅 / 遷移金属 / ルイス酸 / 不斉合成 / 第4級炭素 / 1,3-不斉転位 / SN2' / 有機銅-ルイス酸複合剤 / S_N2'反応 / キラリティ / 不斉転位反応 / 有機銅ールイス酸複合剤 / 立体選択的合成 |
研究概要 |
今日、合成化学において非環状系化学物の立体制御は最大の研究テ-マの一つである。これらの未解決領域である不斉アルキル化の手段として多くの官能基を有するα、β-エノエイト類の不斉転位反応による不斉アルキル化が極めて優れていることを発見した。この新規な反応は遷移金属-ルイス酸複合体を用いることにより位置、立体、及びジアステレオ選択性が高く、化学収率も極めて高い、この反応はフェロモン、抗生物質等の生理活性天然物合成に充分適用可能である。 報告者の具体的成果は次の通りである。 1.キラリテイ転写反応による不斉アルキル化の基質のγ-位の脱離基はメタンスルホニル基を用い、テトラヒドロフランを含有する溶媒中で行なうのが最適と判明した。 2.遷移金属-ルイス酸複合体のうちで有機銅-3フッ化ホウ素の組合わせが極めて効果的であることを見出した。 3.キラリテイ転写反応は基質の二重結合の立体化学(E)、(Z)に関係なくanti-SN2'型反応で進行することが明らかとなった。 高光学純度の第4級炭素を有機銅ーメイス酸複合剤によるキラリテイ転位反応によって高効率的に合成できることが判明した。 抗生物質等の重要な医薬品合成に不可欠なジビニ-ル・メタノ-ル類の高効率不斉合成を有機銅-ルイス酸を用いるキラリテイ転位反応により合成できた。 以上の如く報告者は高効率且つ高選択的キラリテイ転写反応により、従来合成が困難視されていた種々の化合物の合成を可能ならしめることができた。
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