研究課題/領域番号 |
63571015
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加茂 直樹 北海道大学, 薬学部, 助教授 (10001976)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | プラズマ重合 / フタロシアニン / 水晶発振子 / 変異原センサー / 修正スモール数 / デキシトロメトロファン選択電極 / 脂溶性イオン選択電極 |
研究概要 |
1.銅-フタロシアニンを減圧下で昇華させ気体としてプラズマ重合により薄膜を形成させる方法については長田らによって既に報告されていたが、我々はかれらの方法に若干の改良を加え、均一な重合皮膜を作成する技術を完成させた。ESCA、FTIR、可視紫外吸収等のスペクトル測定を行ない、重合膜でもモノマーの基本的な構造は残っていることを確認した。 2.水晶振動子上に銅-フタロシアニンのプラズマ重合薄膜を作成した。我々の使用している水晶振動子は1ngの物質の吸着により、その振動数が1Hz変化する。従って振動数の減少から、吸着物質の重量が分かる。約60種類の有機化合物の重合皮膜への吸着を調べた。調べた範囲で、気相中の濃度に比例して振動数の減少が見られた。従って、この比例係数より各化合物の重合皮膜への分配率を計算した。炭化水素の疎水性度を表すパラメータに修正スモール数がある。これで分配係数を整理すると芳香環、二重結合やシクロ環をもつ化合物は、修正スモール数で予測されるよりも大きな分配率を示した。すなわち、単に疎水性のみではなく、分子間の相互作用も重要である。これは、フタロシアニンが平面構造と共役系を持っているためと考えられる。極性の置換基がつくと更に大きな分配率となった。 3.共役系を持った平面分子はフタロシアニンによく吸着することが分かった。このような分子は変異原物質が多いので、水晶発振子を利用した変異原センサーを作成した。 4.水溶液中での、水晶の発振周波数は、電解質溶液や高分子溶液を除き、溶液の密度と粘度で決まることを実験的に示した。 5.NH_4-tetraphenylborateをプラズマ重合することにより、脂溶性陽イオンやデキシトロメトロファンなどに選択的に応答する電極を作成した。
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