研究課題/領域番号 |
63571016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 順一 東北大学, 薬学部, 助手 (80006337)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 胆汁酸 / 安定同位体 / ガスクロマトグラフィー-マススペクトロメトリー / 負イオン検出化学イオン化法 / 肝組織 / 逆同位体希釈法 / 選択イオン検出法 / ^<18>O標識体 |
研究概要 |
本研究は、ガスクロマトグラフィー(GC)-マススピクトロメトリー(MS)の高分離能と負イオン検出法の高感度、高選択性に着目し、^<18>O標識体を利用する生理活性物質の超高感度測定法を確立し、病態の解析に資することを目的とした。 まず、胆汁酸の負イオン検出GC-MS用誘導体化法に種々検討を加えた。その結果、カルボキシン基をペンタフルロベンジル(PFB)エステルに、水酸基をジメルエチルシリル(DMES)エーテルに導くとき、胆汁酸異性体の相互分離に優れるばかりか、負イオン検出MSにおいてPFB基の脱離したカルボキシレートアニオン [M-181] ~をきわめて強く生成し、これを利用する選択イオン検出法における感度が4attmoleにも達することを見出した。 ついで内部標準物質として安定同位体標識胆汁酸の調整を行った。従来、本目的には^2H標識体が用いられているが、その調整には煩雑な操作が要求されるばかりか、標識純度の高いものが得にくい。そこでカルボニル酸素の交換反応を利用するステロイド核上水酸基への^<18>Oの定量的導入法を考案した。すなわち、遊離型、グリシンあるいはタウリン抱合型胆汁酸を対応するオキソ体に変換後カリウム塩に導き、H_2^<18>O中90℃、50時間加温した。ついで重水素化ホウ素ナトリウムで還元し [^<18>O-^2H] 二重標識胆汁酸を調製した。 ひきつづき組織中胆汁酸の効果的なクリーン・アップ法に吟味を加え、負イオン検出GC-MSと逆同位体希釈法とを組み合わせた肝組織中胆汁酸の超微量分析法を確立した。本法は、感度、特異性に優れ、湿重量1mg以下の肝組織でも十分胆汁酸を測定することが可能であった。さらに本法が肝UDPグルクロニルトランスフェラーゼ活性の測定にもきわめて有用であることを明らかにした。
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