研究課題/領域番号 |
63571027
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
岩鶴 素治 帝京大学, 薬学部, 教授 (50050448)
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研究分担者 |
青山 和 帝京大学, 薬学部, 助手 (50167798)
清水 澄 帝京大学, 薬学部, 助手 (80119586)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 微分スペクトル / UV吸収 / パラベン / 界面活性剤 / ラウリル硫酸ナトリウム / 波長シフト / 同時定量 / 製剤分析 / 徴分スペクトル / パラオキシ安息香酸メチル / FDAS法 / 一次微分 / BSA / タンパク結合 / ナフトール・イエローS |
研究概要 |
保存剤であるメチルパラベン、エチルパラぺン、プロピルパラベン、ブチルパラベンはいずれも253〜254nmに吸収極大を有する吸収スペクトルを示し、吸収スペクトルのみではこれらを相互に識別過することは不可能である。これらの医薬品の水溶液に界面活性剤を添加し、可溶化によって惹起される吸収スペクトルのシフトを利用して分配パラメ-タを測定した。ラウリル硫酸ナトリウム水溶液中のアルキルパラベンの分配パラメ-タ値の大きさは、いずれの温度においてもブチルパラベン>プロピルパラベン>エチルパラベン>メチルパラベンの順であった。これはアルキル鎖長の長い(疎水基がより長い)もの程より多くミセル相に取る込まれるためにシフト度が大きくなり、したがって分配パラメ-タ値も大きくなることを示している。この結果はラウリル硫酸ナトリウム水溶液中に限らず、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液中、Tween20水溶液中、あるいはオクタエチレングリコ-ルモノnドデシルエ-テル水溶液中のいずれの場合においても同じであった。このように分配パラメ-タを測定することにより、医薬品を識別することができることを示した。 次に、この手法を更に発展させ、パラベン混合物系のシフト長が二成分のモル比の一次関数になることを確かめ、実際の医薬品にこの手法を適用してパラベン類の濃度を求めたところ良好な結果が得られた。本法は単にアルキルパラベンだけではなく、界面活性剤を加えることにより吸収スペクトルにシフトが起こる化合物であれば適用が可能である。本法の利点は、検量線を一度正確に求めておくと、未知検体のシフト長と吸光度を測定するだけで計算から容易に各々の濃度を求めることができ、操作が簡便なことである。本法は、品質管理上、多くの試料を短時間で処理するル-チンワ-クとなる製剤分析に特に有効であるといえる。
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