研究課題/領域番号 |
63571035
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 一郎 東京大学, 薬学部, 助教授 (30134612)
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研究分担者 |
新井 洋由 東京大学, 薬学部, 助手 (40167987)
梅田 真郷 東京大学, 薬学部, 助手 (10185069)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 血小板活性化因子 / PAF / 骨髄細胞 / 分化 / TNF / DNA合成 / 殺キャンデイダ作用 / PAFアンタゴニスト |
研究概要 |
(1) PAFによる抗微生物作用の増強: モルモット骨髄細胞を10^<-8>から10^<-6>MのPAF存在下に培養すると、キャンディダパラプシロ-シスを殺す活性、すなわち骨髄細胞の示す抗微生物作用が亢進することを見いだした。この活性の亢進は、PAFの特異的なアンタゴニストで阻害された。PAFの高親和性結合部位がモルモットの骨髄細胞に検出された。 (2) PAFによるDNA合成の増強: モルモット骨髄細胞を10^<-7>から10^<-5>MのPAF存在下に24時間から72時間培養すると、細胞への放射標識チミジンの取り込みが経時的に増加した。代謝されないPAFのアゴニストは、10^<-10>から、10^<-8>Mの濃度でチミジン取り込みを促進した。これらの促進効果は、PAFの特異的なアンタゴニストで消失した。PAF刺激した骨髄細胞の培養上清を別の骨髄細胞の培養へ添加すると、同様のDNA合成の増加が観察された。予め、細胞をRNA合成阻害剤やタンパク合成阻害剤で処理することに依って活性が消失する。従ってこの産生反応は、PAF刺激で関連する遺伝子の発現が誘導された結果起こっているものと考えられる。 (3) TNFーPAFネットワ-ク: PAF刺激したモルモット骨髄細胞の培養上清中に、マウス繊維芽細胞L929を傷害する活性が検出された。この活性は抗マウスTNF抗血清で中和されることから、モルモットのTNFに相当するものと考えられた。一方、骨髄細胞を試験管内で培養して、骨髄ストロ-マ細胞を付着細胞として得た。ストロ-マ細胞をリコンビナントTNFで刺激したところ、特微的な持続性のあるPAF産生が観察された。以上から、骨髄中ではストロ-マ細胞と非ストロ-マ細胞が、TNFとPAFを介してお互い作用し合って、いわゆるネットワ-クを形成して効果を発揮しているものと予想された。
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