研究課題/領域番号 |
63571056
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
沼澤 光輝 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (90006338)
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研究分担者 |
星 久美子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
睦見 綾子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | エストリオ-ル / アロマタ-ゼ / 拮抗阻害剤 / 3ーデオキシアンドロゲン / 16α,19ージヒドロキシアンドロゲン / 血圧上昇物質 / 重水素標識体 / ガスクロマトグラフィ-ーマススペクトロメトリ- / 3-デオキシアンドロゲン / 16α,19-ジヒドロキシアンドロゲン / ガスクロマトグラフィ--マススペクトロメトリ- / エストリオール / アロマターゼ / ヒト胎盤ミクロゾーム / 生合成経路 / 生合成中間体 / キネティック定数 / 阻害剤 |
研究概要 |
エストリオ-ル(E_3)生合成の経路やその反応動力学、さらには本酵素阻害剤に関して、ほぼ初期の目的を達成することができた。 まず、E_3生合成中間体として、天然基質である16α-hydroxyandrostenedione(1)の19-hydroxy体(2)と19-oxo体(3)を合成した。これらをNADPH存在下ヒト胎盤ミクロゾ-ムと共にインキュベ-ト後、生成するE_3を電気化学的検出器装備の高速液体クロマトグラフィ-で定量し、E_3生合成を速度論的に検討した。その結果、エストロン(E_1)生合成と同様に19位酸化経路(1)→(2)→(3)でE_3が生合成されるが、19-oxo体(3)のkm値が他のそれに比較し異常に大きなことなどから、E_1とE_3生合成には異なるアロマタ-ゼが関与することが示唆された。 E_3生合成中間体19-hydroxy体(2)とその3β-hydroxy-5-ene誘導体をラット皮下に投与すると、対照群に比し有意に血圧が上昇した。この事実は、高血圧を伴なう妊婦において、これらE_3生合成中間体の重要な役割を示唆するものである。そこで、妊婦でのこれら昇圧物質の動態をGC-MSで明らかにする目的で内標準物質として重水素標識体を合成した。現在、妊婦でのこの物質の動態を検討中である。 一方、エストロゲン生合成阻害剤として、androstenedioneの、1)種種位置にブロモアセトキシル基を導入したもの、2)6位にオキソ基を導入し3位の構造を変化させたもの、3)3位カルボニル基を除去したもの、をそれぞれ合成しそれらの阻害活性を検討した。従来、阻害剤のアロマタ-ゼへの結合に必須な経路と考えられていた3位カルボニル基がなくとも、強い親和性を有することなど、アロマタ-ゼ活性中心部位の構造と阻害剤の構造活性相関に新しい知見を加えることができた。
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