研究課題/領域番号 |
63571069
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
伊藤 文昭 摂南大学, 薬学部, 教授 (80111764)
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研究分担者 |
早川 磨紀男 摂南大学, 薬学部, 助手 (30198824)
芝本 さゆみ 摂南大学, 薬学部, 研究員 (80178920)
奥 直人 摂南大学, 薬学部, 助教授 (10167322)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Na^+@H^+アンチポ-タ- / リポソ-ム / 再構成 / アミロライド / イオン輸送 / 麻酔薬 / リドカイン / ジブカイン / Na^+ / H^+アンチポーター / リポソーム |
研究概要 |
Na^+/H^+アンチポ-タ-は種々の細胞の細胞膜に存在するたん白質で、細胞内pHの調節に重要な役割を果たしている。また、細胞増殖因子はアンチポ-タ-を活性化する作用を有し、細胞増殖促進作用にもアンチポ-タ-の関与が考えられている。しかしながら、アンチポ-タ-の構造やイオン輸送の機構は明らかでなく、以下三点について実験を行なった。 (1)アンチポ-タ-の再構成と、再構成リポソ-ムを用いたNa^+、H^+の膜輸送の分子機構の解明:ホスファチジルコリン/ジセチルホスフェイト/コレステロ-ル(9:1:10)からなるリポソ-ムと、50mMオクチルグルコシドで可溶化したラット腎刷子縁膜を混合後透析し、再構成リポソ-ムを調製した。リポソ-ムに蛍光物質(FITC-doxtran)を封入し、内側のpHを5.5、外側を8.0にして、150mMまでの種々の濃度のNa^+を外側に添加すると濃度依存的に蛍光強度の上昇が起きた。この蛍光強度の上昇、すなわちpHの上昇はNa^+/H^+アンチポ-タ-活性の阻害剤であるアミロライドにより抑えられ、Na^+/H^+アンチポ-タ-がリポソ-ムに再構成されたと結論した。また、K^+の濃度勾配が存在してもH^+の流出は観察されず、Na^+存在がアンチポ-タ-活性に必須であった。 (2)アンチポ-タ-の精製:上記アンチポ-タ-のリポソ-ムへの再構成方法と、H^+流出の測定方法を利用したアッセイ法により、Na^+/H^+アンチポ-タ-をラット腎刷子縁膜から部分精製した。 (3)Na^+/H^+アンチポ-タ-再構成リポソ-ムを用いた局所麻酔薬の作用機構の解析:リドカインはNa^+/H^+アンチポ-タ-によるH^+の流出を特異的に阻害したが、ジブカインはNa^+の濃度勾配に関係なくH^+の流出を抑制した。この結果は、リドカインの麻酔作用はNa^+/H^+アンチポ-タ-、あるいは、少なくともNa^+輸送膜たん白質への直接の相互作用を介して働いていることを示している。
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