研究課題/領域番号 |
63571072
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
北川 隆之 国立予防衛生研究所, 化学部, 化学療法剤室長 (80092188)
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研究分担者 |
天野 富美夫 国立予防衛生研究所, 化学部, 主任研究員 (90142132)
赤松 穣 国立予防衛生研究所, 化学部, 部長 (00072900)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 表面膜透過性 / ATP作用 / 膜変異株 / カルモジュリン阻害剤 / がん細胞 / 透過性修飾 / がん化学療法 / 膜透過性修飾 / 抗癌剤作用の増強 / 細胞膜透過性 |
研究概要 |
動物細胞における表面膜透過性のATPによる調節機構および、この作用を利用した新しいがん化学療法の開発研究を行い、以下の諸知見を得た。 1)ATPによるがん細胞の表面膜透過性変化は、カルモジュリン阻害作用を持つ新規合成スルホンアミド誘導体により著明に促進され、透過性調節におけるカルモジュリンの関与がさらに示唆された。これら新規阻害剤は、TFPやW7など従来の薬剤よりもATPに対する特異性が高く、応用面での利点が期待された。 2)ATP作用の至適pHは7.8‐8.2の弱アルカリ性であるが、生理的条件に近いpH7.4の血清を含む細胞増殖溶液中でも透過性変化は誘導されることを明らかにした。 3)ATPに感受性を示すCHO細胞の表面には、細胞外のATPを基質とするATP分解と、たんぱく質リン酸化の両酵素活性が存在し、活性発現にはMg^<2+>を必要とした。しかし、我々の分離したATP耐性CHO変異株を用いた解析より、これらATP要求性の表面膜酵素活性は、ATPによる細胞膜透過性調節には直接関与していないことが判明した。一方、透過性変化に伴い、Mg^<2+>非存在下にリン酸化される数種のたんぱく質を見いだし、透過性変化との関連を更に検討する予定である。また、ATP受容体の同定も試みたが、明らかにするには至らなかった。今後の課題である。 4)ATP作用のがん化学療法への応用性について、腹水および背部皮下に移植された担癌マウスを用いて検討した結果、5ーFUやアドリアマイシンの制癌作用がATP併用により著明に増強され、本法はがん化学療法として極めて応用性の高いことが明らかとなった。
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