研究課題/領域番号 |
63571093
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋田 充 京都大学, 薬学部, 助教授 (20135594)
|
研究分担者 |
高倉 喜信 京都大学, 薬学部, 助手 (30171432)
山本 昌 京都大学, 薬学部, 助手 (00166779)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 化学療法 / 組織移行性 / 臓器灌流実験 / 単離腫瘍標本 / モ-メント解析 / 脂溶性プロドラッグ / 高分子化プロドラッグ / 抗体結合体 / 臓器潅流実験 / 薬物組織移行性 / モーメント解析 / 抗癌剤 / 癌病巣モデル / プロドラッグ / ドラッグデリバリーシステム |
研究概要 |
化学療法では、病巣への薬物移行性が治療効果を左右する重要な因子の一つとなっている。しかしながら、従来、薬物の組織移行性を定量的に評価解析するための実験系は確立されておらず、特に病巣部位における薬物移行特性に関する情報は著しく不足している。そこで本研究では、新しい臓器灌流実験法の開発と、臓器灌流実験で得られる実験デ-タの解析理論の確立の、二つの方向から、薬物の組織移行性の評価解析実験系の開発を遂行した。従来より、肝臓や腎臓等を対象とした灌流実験は広く行われているが、本研究ではこれに家兎下肢大腿筋肉の灌流実験系を加え、先ず、薬物全身動態の支配要因であるこれら正常臓器における移行性評価系の充実を図った。次に、病巣部位の代表として固形癌を選び、家兎大腿筋肉内にVX_2腫瘍を移植した標本、さらにラットWalker256単離腫瘍標本に対する実験法を開発して、癌病巣における薬物移行動態の解析を可能にした。一方、実験結果の解析に関しては、臓器灌流実験系で得られるdilution curveから、統計学的モ-メント理論に基づいて、分布や消失あるいはクリアランスに関するパラメ-タを誘導する理論体系を確立した。以上の実験系を用いて、我々のグル-プが開発した、抗癌剤の脂溶性プロドラッグ、高分子化プロドラッグ、モノクロ-ナル抗体結合体等の癌病巣及び正常臓器における組織移行特性を検討した結果、化合物の油水親和性、分子サイズ、電荷などの物理化学的性質と、臓器移行性との関連が明らかにされ、併せてこうした誘導体の一部が優れた腫瘍病巣指向性を有することが証明された。以上、本研究で得られた成果は、臓器分布特性の制御に基づく薬物投与の最適化、具体的には、特定臓器を対象としたタ-ゲティング型DDSの開発のための方法論確立に、大きく寄与するものと思われる。
|