研究課題/領域番号 |
63580138
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
西川 義尚 (財)東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20109953)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 糖蛋白 / アスパラギン結合型糖鎖 / リピド中間体 / ドリコール / 変異株 |
研究概要 |
マウスFM3A細胞から^3H-マンノースを用いたトリチウム自殺法により分離されたG258株は:a)細胞増殖に関して温度感受性(ts)である。また、b)糖蛋白のアスパラギン(Asn)結合型糖鎖生合成に関してtsである。そして、その変異部位は、その前駆体のリピド中間体生合成(LI)の段階にある。すなわち、33℃では、完全なLI(Glc_3Man_9Gl_cNA_<c2>-P-P-ドリコール)を合成するが、39℃では、Man_3GlcNAc_2-P-P-ドリコール付近で合成が止まる。これまでに、以上のことを明らかにしてきた。本年度は以下の研究を行なった。 1)G258株からの細胞増殖に関する自然復帰変異株の分離 G258株の上記のa)及びb)の表現型の関連を明らかにすることを目的として、G258株を39℃で寒天プレート培養、あるいは、液体培養することにより、細胞増殖に関する自然復帰変異株SR-01、SR-11、そして、SR-12を分離した。それらはいずれも、糖蛋白のAsn結合型糖鎖生合成及びLI中間体生合成に関しても復帰していた。復帰変異率は、いずれも10^<-6>以上であった。この結果から、G258株の上記のa)およびb)の性質は単一遺伝子変異に由来することがわかった。これにより、G258株の細胞増殖に関する温度感受性の正常型への形質転換能を指標に、G258株のAsn結合型糖鎖生合成(LI生合成)に関するts変異に相補的な遺伝子あるいはcDNAをクローニングすることが可能になった。 2)高温下のG258株におけるLIからの糖鎖の転移能について G258株は、39℃においては、LIの生合成が中間段階で停止する。その際、その不完全糖鎖のLIからは、糖鎖部分が新生中の蛋白のAsn残基へ転移されないことをVSVのG糖蛋白のグルコシル化を調べる系で明らかにした。 3)以上の結果から、G258株は39℃において、細胞増殖に必須の(糖)蛋白(細胞増殖因子レセプター?)がAsn結合型糖鎖を欠くことにより、その機能を発現できないために、増殖を停止するものと考えられる。
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