研究課題/領域番号 |
63580150
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
大隅 隆 信州大学, 医学部, 助教授 (50111787)
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研究分担者 |
宮沢 昌子 信州大学, 医学, 助手
橋本 隆 信州大学, 医学部, 教授 (80009935)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ペルオキシソーム / オルガネラ / 局在化シグナル / アシル-CoAオキシダーゼ / 3-ケトアシル-CoAチオラーゼ / プロセシング |
研究概要 |
1.ラット肝ペルオキシソームのアシル-CoAオキシダーゼの細胞内輸送シグナルを明らかにするため、cDNAを利用してin vitroで合成した本酵素の種々の変異蛋白質についてin vitro輸送実験を行った。ラット肝由来の除核遠心分画または精製ペルオキシソーム分画と、放射能標識した変異オキシダーゼ蛋白質とを混合し加温した後、顆粒画分に回収され、かつプロテアーゼ耐性となったポリペプチドを、ペルオキシソームに輸送されたものと判定した。本酵素のN末端側を大きく欠失させたポリペプチドは、完全長ポリペプチドと同様に効率良くペルオキシソームに輸送されたが、C末端側に欠失や変異をもつものでは輸送効率は顕著に低下した。特にC末端そのものを欠失させたものや、C末端数残基を他の配列に置換したものは全く輸送されなかった。一方、輸送能をもたないN末端側部分にC末端5残基を結合させたものは輸送活性を示した。さらに大腸菌の蛋白質と本酵素のC末端側領域との融合蛋白質を作成したところ、やはりペルオキシソームに輸送された。以上の結果アシル-CoAオキシダーゼの細胞内輸送シグナルはC末端の極めて短い配列の中に存在すると結論された。C末端3残基の配列SKLは本酵素を含め5種類のペルオキシソーム酵素に共通であり、輸送シグナルの認識の上で重要な役割を担っていると考えられる。 2.3-ケトアシル-CoAチオラーゼ前駆体に存在するN末端延長ペプチドの、ペルオキシソーム輸送における役割を調べるため、完全長前駆体、成熟型ポリペプチド、および本酵素前駆体の全部または一部とペルオキシソーム輸送能を欠くポリペプチドとの融合蛋白質について、in vitroとin vivoにおける輸送実験を行いつつある。現在までに、この延長ペプチドが輸送シグナルとしての機能をもつことを示唆する結果も得られており、今後、種々の変異ポリペプチドを用いた実験を行なう予定である。
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