研究課題/領域番号 |
63580166
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線生物学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小松 賢志 長崎大学, 医学部, 助教授 (80124577)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | プロティンキナ-ゼC / トランスフォ-メ-ション / 放射線発癌 / C3H10T1 / 2細胞 / フォルボ-ルエステル / H-7 / プロティンキナーゼC / トランスフォーメーション |
研究概要 |
プロティンキナ-ゼC活性化剤αースロンビン10ug/mlはC3H10T1/2細胞の増殖に対して、無添加の場合の細胞倍加時間23.5時間に対して11.6時間と2倍近く促進する。プレ-ティング効率に対してもαースロンビンは濃度依存性に上昇させて100ug/mlでは無添加の場合の約6倍になった。これはX線照射細胞でも同じで,4.0Gy照射の場合のαースロンビン濃度依存性は無照射の場合と平行な曲線となる。このことはαースロンビンは放射線誘発の致死損傷を特別に修飾しないことを示唆している。放射線誘発のトランスフォ-メ-ションに対してαースロンビンは濃度依存性に誘発率を減少させる。例えば4Gy照射の場合には50ug/mlのαースロンビンは無添加の場合の約60%に減少させる。このことは同じくプロティンキナ-ゼC活性化剤として知られる1・2ージオクタノイルグリセロ-ルでも同じで、例えば照射線量6Gy無添加の場合に比較して10ug/ml濃度ではトランスフォ-メ-ション誘発率を約半分に減少させる。両薬剤ともに使用した濃度でプロティンキナ-ゼCの細胞内濃度を上昇させることが知られており予想に反した結果である。一方、プロティンキナ-ゼC阻害剤として知られるHー7では、4Gy照射の場合に比較して10ug/ml濃度では照射単独の場合の1/10に減少する。この効果はプロモ-タ-が作用した場合でも同じで、発癌プロモ-タ-TPA処理により20〜30%増加したトランスフォ-メ-ション誘発率はHー7の添加により半分以下に減少した。最近、Hei等はプロティンキナ-ゼC遺伝子を導入したC3H10T1/2細胞で放射線誘発トランスフォ-メ-ション頻度が顕著に減少することを報告しており、本実験で示されたプロティンキナ-ゼC活性化によるトランスフォ-メ-ション誘発率の減少と良く一致している。
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