研究課題/領域番号 |
63580205
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
和田 千恵子 (和田 千惠子) 京都大学, ウィルス研究所, 助手 (10175698)
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研究分担者 |
由良 隆 京都大学, ウィルス研究所, 教授 (20027311)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 大腸菌ミニFプラスミド / ミニFrepE遺伝子の転写 / ミニFDNA複製開始 / δ^<32>因子 / DnaK蛋白質 / DnaJ蛋白質 / GrpE蛋白質 / ミニFコピ-変異 / 大腸菌Fプラスミド / RepE蛋白質 / σ^<32>RNAポリメラ-ゼ / FrepEプロモ-タ- / PlrepAプロモ-タ- / Rtsl repAプロモ-タ- / 太腸菌Fプラスミド / repEプロモーター / σ^<32>RNAポリメラーゼ / Rtsl |
研究概要 |
大腸菌Fプラスミドは染色体当り1〜2個に維持されているが、その制御はFのDNA複製開始段階において行われ、複製開始頻度は主に、イニシエ-タ-蛋白質(RepE)の量的・質的変化によって調節されていると考えられている。RepE蛋白質はそれ自身による転写の制御とF上のくり返し配列(incB、incC)に結合してT:trationされることによって調節されているが、それに加えて、私達はrepE遺伝子の転写に宿主菌の遺伝子(rpoH)の産物であるδ^<32>が必須であることを明らかにした。δ^<32>因子はRNAポリメラ-ゼコア酵素と結合して熱ショック蛋白質の高温での誘発に必須であることが知られている。さらに熱ショック蛋白質DnaK、DnaJ、GrpEがミニFの複製に必要であることを明らかにした。つまりδ^<32>因子はrepE遺伝子の転写及び熱ショック蛋白質DnaK、DnaJ、GrpEによって、Fの複製開始制御に関与していると推測できる。熱ショック蛋白質の作用機作については現在充分に解析できていないが、過剰のRepE蛋白質によって代用できることから、RepE蛋白質の補助的な役割をしていると考えている。δ^<32>によるこのような調節はミニFだけでなく類似の複製開始領域を持つpl、Rtslプラスミドでも見られた。ミニF、pl、Rtslについてrep遺伝子の転写開始点をprimer、extention法により決めた。いずれも複数の開始点が見つかり、in vitroでのRNA合成系により、δ^<32>、δ^<70>RNAポリメラ-ゼ認識部位を決めた。又、これらのrep遺伝子の転写はrpoH変異株では顕著に減少した。rpoH欠失変異株で複製出来るようになった変異ミニFはrepE遺伝子内の変異であり、コピ-数が上昇した。他の研究室でコピ-変異として分離されていたものと一致する変異があった。又これらの変異はイニシエ-タ-活性を上げる効果を持ち、DnaK、J、GrpEがなくても複製出来ることがわかった。現在、ミニF複製開始におけるDnaK、J、GrpEの作用機作を解析中である。
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