研究課題/領域番号 |
63580207
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
篠沢 隆雄 群馬大学, 工学部, 助教授 (30025449)
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研究分担者 |
平田 肇 自治医科大学, 医学部, 講師 (40049052)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 視細胞 / 桿体視細胞外節 / サイクリックGMP結合蛋白質 / Naイオンチャンネル / 視興奮 |
研究概要 |
脊椎動物の視細胞外節(Rod Outer Segments ROS)のNa(カチオン)チャンネル蛋白質としてはCookらの分子量63K(我々の66K)と我々の報告している分子量250Kの二種の蛋白質が存在すると考えられる(篠沢他:生物物理28、152-155、1988)。本研究は250K蛋白質の解析に焦点をしぼり、以下の進展を得た。250K蛋白質の精製:カエル視細胞外節(ROS)を蔗糖浮上法で調製し、CHAPSを用いて可溶化後、5-20%蔗糖密度勾配遠心法で分画した。SDS PAGEで250K蛋白質画分を確認し、cAMPアガロース(cGMPアガロースは市販されていない)に吸着後、EDTA、KClによる脱着により250K蛋白質画分を得た。これらの方法による最高純度は約50%だが、操作条件の改善により有望である事が判った。チャンネル活性の検出:部分精製した250K蛋白質画分をリポソームに組込みCookらの方法によるチャンネル活性の検出に成功した(生物物理、28、S209、1988)。リポソームの安定化と純品の250K蛋白質での実験が今後の課題である。250K蛋白質のアミノ酸配列:ROS蛋白質をSDSPAGE後、ニトロセルロース膜にウェスタンブロットし、アミノ末端からのアミノ酸配列をエドマン分解法で解析した。Met-Ser-Phe-Gly-Ala-Liys-Val-?-Leu-Leu-?-Glu-Asp-Arg-Asp-Arg-His-Ileu……となり、mRNAのcDNAを調製する一定の足がかりを得た。他の臓器の他のイオンチャンネル蛋白質の一次構造上の類似はみられなかった。考察:我々は電気生理学的方法により、cGMPに関係したイオンチャンネルを報告した(J.Biochem.1987)。これはKochらの報告とも矛盾なく、我々の250K蛋白質はKmの高い(170μM)cGMP依存カチオンチャンネルと考えられる。250K蛋白質の純品までの精製とチャンネル活性の解析が今後の課題である。なお、ウシのROSの分子量220K蛋白質について、ヌクレオチド結合活性とNa^+-Ca^<2+>エクスチェンジャー活性の報告がなされたが、いずれもcGMPとは無関係である。
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