研究課題/領域番号 |
63580242
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
長崎 栄三 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50141982)
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研究分担者 |
瀬沼 花子 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究員 (30165732)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 数学教育 / 電卓 / 数学化 / 授業研究 |
研究概要 |
本研究の目的は、数学教育における電卓の利用に関して、主として、中学校を中心として調べることにあった。そのために、約15名からなる研究プロジェクトを作り、実験授業を中心とした事例研究、わが国の教科書や諸外国の報告書などの文献研究、計算などに関する調査研究によって、研究を進めた。この過程においては、定期的に研究会がもたれ、授業記録や調査結果などについての検討が重ねられた。その結果、概ね次のようなことが明らかになった。 第1に、世界には、イギリス、アメリカを中心とした数か国のように電卓を積極的に利用している国々がある。 第2に、電卓利用が生きると思われる数学化ということが、わが国では昭和10年代に試みられていた。 第3に、わが国の算数・数学教科書で、電卓利用を積極的に勧めている教科書はない。 第4に、数学化を重視した数学教育という視点から見ると、理科、地理、技術・家庭、保健体育など他教科には、数学の内容となる素材が多くある。 第5に、数学教育に電卓を導入するには、3つの水準がある。すなわち、計算器具として使う水準、教具として代数的な場面で使う水準、教具として解析的な場面で使う水準である。この中で、後者になるほど、数学化ということが重視され、電卓と数学が一体化されたものとなっていく。 第6に、電卓の導入に際しては、使い方に関する説明書を利用すると便利である。 第7に、電卓を利用する際には、特に有効数字に関する指導をすることが重要である。 第8に、生徒や保護者は、数学教育での電卓利用を好意的に見ている。 第9に、数学科の教育実習生は、数学教育での電卓利用に大して必ずしも肯定的ではない。 第10に、電卓は、その利用に当たって、暗算、筆算、ソロバンと拮抗するものではない。これらの結果を踏まえ、よい教材の開発、児童・生徒のより詳しい実態を調べることが、今後の課題である。
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