研究課題/領域番号 |
63601025
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石原 安雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (60027208)
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研究分担者 |
下島 栄一 京都大学, 防災研究所, 助手 (80027276)
小葉竹 重機 群馬大学, 工学部, 助教授 (00027260)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 洪水被害形態 / 自然地理条件 / 氾濫水数値シミュレーション / fail-safeとsafe-fail |
研究概要 |
過去に起こった豪雨による洪水氾濫被害事象の比較を通して、被害形態と自然地理条件との関係を明らかにし、洪水被害の軽減策を立てる際の一指針を提示することを目的とする。 まず、昨年度で明らかになった流域面積3千Km^2以下の一級河川流域の平面形状と平野部(氾濫原)の存在形態との関係を踏まえて、氾濫区域面積、堤防必要区間長、氾濫区域内人口と流域面積との関係を調べた結果、洪水氾濫から護るべき人口は流域形状等によって規定されるのではなく、主として社会状況に起因しているということを見いだした。ついで、氾濫原が浸食地、扇状地、沖積地であるかによって、地面の傾きやその方向が異なることは昨年度詳細に分析したが、この地形特性と破堤による氾濫水の挙動との関係を昨年度に引続き数値シミュレーションをおこなった。その結果、氾濫水の慣性力の程度と破堤口までの距離との関係、氾濫水の流動形状と地形形態との関係、地形の相違に基づく破堤流量の規模と流体力分布の関係等を明らかにし、洪水の氾濫原対策・計画は地形形態に合ったものでなければならないことを数値計算から指摘できた。一方、昨年度の黒部川水害(昭44)、鏡川水害(昭和51)、石狩川水害(昭和50、56)に加えて、江の川水害(昭47)と小見川水害(昭56、61)の水害状況を、当時の色々な報告書や新聞記事等によって調べ、氾濫原の自然地理条件と被害形態との関係をある程度実証的に明らかにした。最後に、洪水災害被害の軽減策を検討する上での基本課題である何をどのように守るべきかということを、リスク分析で用いられるfault treeの手法で解析した。そこで、外水型や内水型の浸水被害の発生のシステムを明確にすることによって、人命保護についてはfail-safe、生活環境保護についてはsafe-failの設計原理に立った諸施策をハード面とソフト面の両面から検討すべきであるという指針を示した。
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