研究課題/領域番号 |
63601507
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
堀川 清司 埼玉大学, 工学部, 教授 (10010571)
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研究分担者 |
磯部 雅彦 東京大学, 工学部, 助教授 (20114374)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 海岸護岸 / 消波工 / 消波ブロック / 洗掘 / 沈下抑制策 |
研究概要 |
海岸に沿った地域を波浪より防禦するために、種々の海岸構造物が築造されるが、その中でも最も普遍的なものは海岸護岸である。その堤脚部の洗掘、それによる構造物の倒壊を防止するために、古くより根固工が用いられてきたが、更に波やしぶきの越えるのを軽減するために、構造物の前面に消波ブロックを積んだ消波工を設けることが多い。この際消波ブロックの沈下対策に苦慮しているのが現状である。 本研究においては、波浪によって消波ブロックの周辺が洗掘されるメカニズムを実験的に明らかにし、波浪および構造物の諸条件と洗掘状況との関係を調べた。その結果を踏まえて考案した種々の洗掘防止工の効用を実験によって調べ、より妥当な方策を見出すことに目標をおいた。 先ず、直立護岸前面の洗掘状況を観察するために、堤脚水深、入射波を変えて予備実験を行った。その結果、前面の波が砕波となるか重複波となるかによって著しく様相の異なることが判明した。すなわち重複波の場合には、反射率を低下させることにより洗掘を軽減しうると期待された。砕波を生じる場合には、堤脚部で掘られた土砂が次第に沖に運ばれるときと、沖から運ばれた土砂によって埋め戻されるときがあり、洗掘防止策を一義的に定めるのは困難であった。 ついで、1)縦スリット型護岸として反射率を軽減する場合、2)護岸脚部の構造を種々工夫して洗掘の軽減をはかる場合、3)護岸前面に消波ブロックを積み、かつその基礎部分に洗掘防止策を行った場合、について系統的な実験を行った。その結果、堤脚水深が相対的に大きく重複波となる場合には反射率を低下させる縦スリット型護岸が有効であるが、砕波を生ずるような場合には護岸脚部の構造に工夫を加えた場合、あるいは消波ブロックによってマウドを形成するとしてその基礎の洗掘防止の方策をとった場合が適当と判断された。
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