研究課題/領域番号 |
63602023
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
有賀 祐勝 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10017022)
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研究分担者 |
山口 征矢 埼玉大学, 教養部, 教授 (70114220)
小倉 紀雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (30015127)
杉本 隆成 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 河口域 / 懸濁物質 / 栄養塩 / 植物プランクトン / 一次生産 / N取込み |
研究概要 |
多摩川河口域では、塩分の鉛直分布は弱混合〜弱混合に近い緩混合の状態になっている。河川系の水は上層部を1〜2mの厚さで流れ、下層水の上層への連行は大師橋付近で著しく、5〓以下から10〓以下に上昇する。河川流量が500〜1000m^3/s以上の洪水時になると塩水楔はフラッシュされる。河川起源の懸濁物質は、塩水遡上域の先端付近(多摩川大橋より上流部)で、海水との接触によりフロックを形成し、平水時には大部分が六郷橋より上流の部分で下層に沈降し、底面からの巻き上げも加わって、下層の濁度の方が高い傾向が見られる。しかし、増水時には高濁度の河川水が流入し、河口部付近に推積するものと推測される。また、河口域の上層水の体積は2〜4×10^6m^3と概算され、河川流量が10m^3/sの場合、河口域における河川水の滞留時間(通過時間)は2〜4日と概算される。洪水時には体積は増すが、1日以下で通過すると予想される。 多摩川河口域における陸起源の有機物や栄養塩濃度は季節により大きく変動し、沿岸河口域の一次生産力に大きな影響を及ぼしていると考えられる。多摩川河口沖の定点における定期観測で得られた透明度から水中光の減衰係数(k)および相対光強度1%深度(D_1%)を求め、実測で得られた各月の平均飽和光合成速度(Pmax)と平均クロロフィルa__ー濃度から海面1m^2あたり生産層内の植物プランクトンによる日生産量を月毎に算出した。その結果、2月に最底、7月に最高となり、1.08〜14.61gc/m^2/day(平均5.50gc/m^2/day)が得られた。さらにC/N=6.6として、日生産量からNの取込量を算出すると0.17〜2.21gN/m^2/day(平均0.833gN/m^2/day)となった。この結果、この海域における植物プランクトンによるN取込みのレベルは304gN/m^2/年程度であると推定される。
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