研究課題/領域番号 |
63602035
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
|
研究分担者 |
山添 康 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00112699)
長尾 美奈子 国立がんセンター, 研究所・発がん部, 部長 (40100151)
早津 彦哉 岡山大学, 薬学部, 教授 (10012593)
渡部 烈 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00057316)
辰巳 淳 広島大学, 医学部, 教授 (90037581)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
1988年度: 16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
|
キーワード | 環境変異原 / 代謝活性化 / 解毒 / 複合作用 / 抱合反応 / アレーン / クロロフィル / 亜硝酸 |
研究概要 |
環境変異原の生体内代謝や複合作用の研究に必須なものとしてまず、1.哺乳動物個体の突然変異検出系の開発を試みた。2.環境変異原の生体内代謝の研究(1)1-aminopyrene,2-aminofluorene(2-AF),4-aminobiphengl 1-および2-aminonaphthaleneをラットまたはウサギに経口投与し、formylamino体及びacetylamino体を尿及び黄糞中に検出し、これらは肝臓のformamidase及びarylamine acetyltransferaseによって生じることを明らかにした。(2)タバコ煙中に含まれている5-methylchryseneの活性化体である5-hydroxymethyl chrysene sulfateは仔ウシ胸腺DNAに結合するが、それらのアデニン及びグアニン付加体を単離・同定した。(3)1-nitropyrene(1-NP)は生体内で代謝されて1-NP4.5-及び9.10-oxideのグルタチオン(GSH)抱合体として胆汁中に排出され、小腸内で主として膵液中のγ-glutamyl transpeptidaseとaminopeptidaseによって代謝され、cysteinyl-glycineまたはcysteine抱合体になることを明らかにした。3.変異原の複合作用及び修飾(1)chlorophyllまたは食品着色料であるchlorophyllinはTrpP-2,N-OH-glu-P-1,Trp-P-1の活性化体及びBap-diol-epoxideの変異原性を抑制した。(2)鳥肉などの蛋白性食品を加熱すると、亜硝酸と反応して変異原性を示す物質を生成することを見い出し,その前駆体を精製したが、ヘテロサイクリックアミンではなかった。(3)anilineを亜硝酸処理すると変異原性p-diazoquinoneを生成し、また2-AFでは強変異原性ジアゾ体に変化した。(4)Trp-P-1、Trp-p-2、及び2-AFは、linoleic acid hydroperoxide/methemoglobinの共存によって生じたラジカルによって分解し、変異原性が減少した。(5)変異原中間体のN-OH-glu-P-1が肝臓のO-アセチル転移酵素によって活性化されDNAに結合する反応は、GSH、L-cysteine、N-acetylcysteineで促進された。このDNA付加体にはチオール基は含まれておらず、これらチオール化合物はO-アセトキシ体を安定化し、DNAへの反応を増加させていた。
|