研究課題/領域番号 |
63602043
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
外村 泰子 東京女子大学, 文理学部, 助手 (40138821)
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研究分担者 |
島 利雄 北海道工業大学, 教養部, 教授 (90128827)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 電子レンジ / マイクロ波 / ショウジョウバエ / 翅毛スポット / トランスヘテロ / 生存率 / 翅の奇形 / 体細胞突然変異 / 電気泳動 / 吸収電力 / 磁場 |
研究概要 |
(1)マイクロ波の体細胞への変異原性はハエの翅毛スポットテストにより第3令後期幼虫、若い蛹を電子レンジ(2.45GHz・550W)の中に入れ照射後からの成虫の野生型のみを標本として検出分析を行った。(2)奇形バエや照射バエの熱効果については電気泳動法により分析された。(3)ハエの体表面積に対する吸収電力量は蛹の体表における電界を生体断面積計測用ビデオカメラにより測定した。(1)の結果は第3染色体上のmwh^+/+flr(トランスヘテロ)体のF_1の幼虫期被曝区からは対照区との間には有意な差はみられなかったが、若い蛹への照射区からは照射区5秒区に翅毛スポットが著しく出現し、これは被曝時間の短いものほど変異原性が大きくなり生存率をあげるが、照射時間が長くなるほど死というダメージの方が大きくなることが示唆された。また蛹化期に被曝した結果からの成虫の翅の第4、第5翅脉先端部に翅脉欠存という奇形が6〜10%発生した。(2)分子量30万付近(ミオシン)のタンパク質のバンドは正常時には2本であるが、照射されても表現型が正常であるハエの場合には2本のバンドのうちの下の1本が薄くなり、奇形バエでは下の1本のバンドが完全に無くなることが判明した。一般に熱ショック遺伝子の作用などからの熱効果は真核生物などでは、高温処理によりタンパク質のバンドの数が増加するといわれているが、上述の結果からマイクロ波の影響ではバンドの数が減少するという事実から、単なる熱ショックの結果によるものとは考えられないものがある。(3)生体に加わる電界や吸収電力の解析から蛹を導体とした場合、体表の電界強度は触角では与えられた電界の22倍以上、尾部突起でも6倍以上、他の部位でも2〜4倍の強さが計算された。マイクロ波被曝時の蛹を用いてその主体のダメージとどのような結びつきをつくるかを今後の研究結果から追求したい。さらに磁場の影響についても今後の課題として取り組みたいと計画している。
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