研究課題/領域番号 |
63602502
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 永祐 東北大学, 理学部, 助教授 (00004482)
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研究分担者 |
鈴木 孝男 東北大学, 理学部, 助手 (10124588)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 河口ラグーン / 底泥 / 自然浄化能 / 有機物分解 / フラックス / クロロフィル |
研究概要 |
宮城県七北田川河口左岸に位置する蒲生ラグーンを対象として、河口ラグーンの自然浄化機能を有機物の分解と生産の面より評価するために、ラグーンのクロロフィル(植物プランクトン)収支、N収支を測定し、以下の結果を得た。1)蒲生ラグーンからは1日約650gのクロロフィルaが海へ流出しており、ラグーンのクロロフィルの交換率(希釈率)は約0.7/日と推定された。2)動物プランクトンの捕食によるクロロフィルの濾過率は約0.05/日と測定された。3)植物プランクトンによるクロロフィルの生産を評価するために、ラグーン水を透明の半透膜チューブに入れてラグーン水中に放置し、クロロフィルaの増加率を測定した。クロロフィルa濃度が低い場合(50mg/m^3以下)には、増加率は1/日と以上と高い値を示したが、クロロフィル濃度の増加とともにその値は急激に低下した。すなわち、植物プランクトンの増殖率は、植物プランクトンの濃度が低い時には潮汐による希釈率を上回るが、その濃度が増加すると増殖率が低下するため、ラグーンの平均的なクロロフィルa濃度100mg/m^3で大体増殖と希釈がつり合い定常となる。4)底泥からの無機栄養塩の溶出速度を測定した結果、底泥の有機物分解より生じた無機栄養塩類の水界への回帰量は植物プランクトンによる吸収量を上回り、残りは海へと流出していることが判明した。5)以上の結果を総合すると、蒲生ラグーンでは、河川や養魚場から供給された有機懸濁物が堆積して分解されており、底泥で無機化された栄養塩類はそのまま海へと流出するとともに、その一部は植物プランクトンに同化され、ラグーンの高い生物生産をささえている。また、ラグーンでは植物プランクトンの増殖率が高いにもかかわらず、海水交換により希釈され、赤潮のような植物プランクトンの過剰増加はみられないことが分かった。
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