研究課題/領域番号 |
63602517
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
平井 英二 金沢大学, 工学部, 教授 (80019695)
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研究分担者 |
大久保 登 金沢大学, 薬学部, 助手 (30115216)
丁子 哲治 金沢大学, 工学部, 助手 (80092790)
宮崎 元一 金沢大学, 薬学部, 教授 (50009164)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 雨 / 雪 / 大気汚染物質 / 酸性度 / 化学量論的解析 / 物質移動論的解析 / 北陸地方 |
研究概要 |
本研究機関(金沢大学)が位置する石川県地方は、人為的汚染源が比較的少なく、大気汚染度は全国的にもこくいにもかかわらず、これらの大気汚染物質の降下量は関東地方に比べても必ずしも低い値を示さないことが知られている。しかも北陸地方はこの世界でも有数の豪雪地帯で知られ、このような地方では一年の中の約半分が雪で覆われ、春には短期間に起こる融雪に伴って積雪中の汚染物質が環境に大量に放出される。また、降雪期における季節風や春季における黄砂等の大陸からの影響に関しては、石川県地方は最前線の位置にあると言える。このような石川県地方の地理的、気象的条件から考えて、大気汚染物質による環境への影響は無視できないばかりでなく、バックグランド値の推定、遠距離汚染源による影響、降雨と降雪との比較など解析のためにも、当地における降雨、降雪に含有する大気汚染物質に関する研究は重要であると考えられる。このよう背景のもとで、降雨・雪の酸性度に寄与する大気汚染物質の定量的評価を目的とした研究を行い、以下のような成果を得た。まず、金沢市内で観測されたデータを使用し、一降雨全量に含有する化学成分をイオンバランスを使用して降水の質的変化を定量的に表現する方法を確立し、降雨原因と気圧配置の関係を考慮して、移動性前線型、停滞前線型、大気不安定型、西高東低型の4分類を行うと、硫酸イオンとPHの関係を定量的に評価できることを明らかにした。次に、大気中に放出されたガス状物質の洗浄作用について、大気中を雨滴が落下してガス吸収する過程を濡れ壁に近似し、非定常拡散問題として解析を行った。さらに、冬季における積雪を石川県内で採取し、湿性及び乾性沈着試料中の金属類の含有量を測定した。その結果、融雪水については、平野部では融雪水と降雪との成分に大きな相違はなかったが、山間部では最初の融雪水に高濃度の溶解性成分が含まれていることがわかった。
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