研究課題/領域番号 |
63602528
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川崎 清 京都大学, 工学部, 教授 (40025888)
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研究分担者 |
小林 正美 京都大学, 工学部, 講師 (50109021)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 環境設計 / 設計プロセス / 合意形成 / 意志決定 / 委員会 / 意見 / リレーショナルデータベース |
研究概要 |
大規模な環境計画・設計においては、常に複数の人々の意見の合意形成を計りながら意志決定を迅速に進めていくことが、計画策定上の重要な課題である。本研究は1990年に開催予定の国際花と緑の博覧会の会場基本計画を対象事例に、本研究の代表者が委員として参加計画委員会で出された意見集、計画案とその説明書を基本データに用い、最終的な会場基本計画案がまとめられるプロセスを意見集約・合意形成の視点から時系列的に明らかにし、デザインアセスメントをより迅速かつ論理的に進めていくための方法論(支援システム)を考察することを目的にしたものである。得られた成果は、1)花と緑の博覧会会場基本計画がまとめられていった過程は、意見集約・合意形成の視点からでは5つのステップに分けられる。2)計画策定の過程で委員会に提出された2つの計画原案(A、B)とそれらをまとめた最終案との相互関係を、委員会初期の段階に作成された各委員の計画に対する意見(考え)を列挙した109個の基本意見集との対応(内容の共通性)で分析した。3)その結果、最終案はA、B両案の重なる部分を基本に、基本意見集の考えを多く取り入れ作られていた原案Aの意見を積極的に導入することでまとめられていった経緯が示された。4)対象事例では、計画相互の関係を見るためのレファレンスに用いた基本意見集が、最終案に至るまで合意形成においてきわめて重要な役割を持っていた。5)今回の分析は、各委員の考えをまとめたこの基本意見集を、内容を要約化して日本語ステートメントとしてデータ化し、内容検索が可能な意見集のリレーショナルデータベースを作成して行った。これを計画の初期段階から同時進行的に作成しておき、計画参加者の共通の情報に位置づけお互いの意見の類似、対立、包含関係を常に明らかにしておくことが、大規模計画の合意形成を迅速に進めるために有効な方法として提案される。
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