研究課題/領域番号 |
63602533
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
坪田 博行 広島大学, 総合科学部, 教授 (70013555)
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研究分担者 |
藤原 祺多夫 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90090521)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 酸性雨 / 大気凝縮水 / 河川水 / SOx / NOx / 土地の理水効果 |
研究概要 |
酸性雨の原因となるSOx、NOxによる雨水の変質過程を、地理的・時間的に明らかにするとともに、酸性雨の河川水への影響と土地の理水作用の見積り・制御法を考察することを目的とした。広島をフィールドとし、雨水の酸性化を地理的条件との対応や気象条件から評価した。 雨水は降り始めから終わりまで時間分割又は降雨量分割して自動採取した。また、降雨最中に地上付近で物質が降水中に取込まれる機構を解明するために、大気中の水蒸気とエアロゾルを同時にコールドトラップで採取した。(以下大気凝縮水と呼ぶ)。水試料中のNO_3^-、NO_2^-、Cl^-、SO_4^<2->はイオンクロマトグラフ法、Na^+、K^+、Ca^<2+>、Mg^<2+>は原子吸光法、NH_4^+は比色法、Asは我々が開発した気相化学光法により測定した。また、濁度の測定には本年度開発した光ファイバーを利用した鏡面反射型長光路セルを使った分析法を適用した。 降水中の溶存物質の濃度変化の仕方は1)指数関数的な濃度減少がみられるタイプ、2)一旦減少した後、特定の成分についてのみ濃度の増加がみられるタイプ、3)しばらく降り続いた後、全ての成分について濃度の増加がみられるタイプに分類することが出来た。これらの各グループの濃度変化の原因について、大気凝縮水の分析結果や高層気象との関連と合わせて考察し、1つのシステムにより生成された雨雲からもたらされた降雨と、相異なるシステムにより生成された雨雲から連続してもたらされ見かけ上一降雨として観測される場合のあること、降水の酸性化は、雲生成の時点で既に始まっていることなどを明らかにした。 河川については、梅雨期と夏季渇水期の太田川河川水を比較した。その結果、多雨期には河川流量の増加と共に、陽イオン・陰イオン総量共低下するが、陽イオンの低下はより大きく、従ってpHも低くなった。このことは渇水期に理水効果が大きく働いていることを示している。
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