研究課題/領域番号 |
63602534
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
太田 欽幸 広島大学, 生物生産学部, 教授 (10034464)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アンモニア / 無臭化微生物 / 微生物脱臭 / コンポスト / 悪臭公害 / バイオマス |
研究概要 |
産業や経済の発展などにより、悪臭性天然有機含窒素廃棄物の量が年々増加している。これらの廃棄物は貴重なバイオマス資源であるが、その悪臭がひどいために積極的な利用がされないばかりか、悪臭公害の主要因となっている。近年これらの廃棄物の再利用を目的としてコンポスト化がされているが、その際多量のアンモニアが排出され廃棄物中の窒素源の損失となるばかりか処理作業を困難にしている。我々は、前年度迄に、上記廃棄物を短時間に無臭化・コンポスト化する微生物を見い出し、その中からアンモニア非生成の細菌と放線菌とを見い出した。そして、豚ふんの無臭化及び窒素保全のコンポスト化に成功した。本年度はこの無臭化物を種菌として、くり返し用いることができるかについて調べた。その結果、官能的悪臭度MSは10時間内で0となった。しかし、気相中に排出されるアンモニア量は、第1回目で10ppm、第2〜3回目で150〜170ppmとなり、第4回目からは、従来の種菌の場合と同様に1,000ppm以上となった。これは自然界に多く存在する高アンモニア生成菌が混入した結果であり、処理の2〜3回毎に別途作製したアンモニア非生成無臭化菌の種菌を添加する必要があることが分かった。また、豚ふんよりも含窒素量の多い鶏ふんの場合も、豚ふんの場合と同様な結果が得られC/N比の小さい有機廃棄物に対しても十分な効果があることが分かった。 つぎに、アンモニア非生成菌と高アンモニア生成菌の生化学的性質を調べた結果、アンモニア非生成菌のCory.SP.B88株は、ほとんどのアミノ酸に対するデアミナーゼ活性が高アンモニア生成Bru.sp.B79株よりも数10〜100倍低かった。また、尿素に対するウレアーゼも同様に低かった。Cory.sp.B88株は、アンモニア同化酵素のグルタミン酸脱水素酵素の活性が高かった。また、廃棄物中のある種のペプチドが、アンモニアの取込みを促進することが分かった。
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