研究課題/領域番号 |
63602540
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
羽野 忠 大分大学, 工学部 (80038067)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 硝化 / 脱窒 / 脱リン / 嫌気-好気活性汚泥法 / 速度解析 / シミュレーション |
研究概要 |
同一汚泥を用いた嫌気-好気繰り返し操作は、窒素とリンを同時に除去出来る小規模廃水処理装置とし注目されている。本研究では装置内に好気域と嫌気域とを設け、両者の間で汚泥を循環させながら連続的に窒素とリンを除去するプロセスを検討した。処理装置として二重管型気泡塔・二槽型上向流式活性汚泥法・嫌気部を設けた活性汚泥法の3種を考え、処理特性を求めた。いずれの処理装置においても原水は嫌気域に送入し、好気域から処理水を排出させた。嫌気-好気操作においては嫌気・好気設定条件が重要な操作因子である。二重管型気泡塔および上向流式活性汚泥法の場合、これは空気吹き込み流量および嫌気域と好気域の設定比によって与えられた。空気流量を増すと、全窒素除去率は増加した後減少した。これは有機態窒素の分解および硝化の促進と、嫌気域のDO上昇による脱窒の抑制によってもたらされる。上向流式活性汚泥法におけるリンの除去率は充分でなく、各槽、とりわけ好気槽での滞在時間を長くする必要があった。嫌気域を有する活性汚泥法においては、循環比が支配的な因子であった。循環比を増加させると全窒素除去率は最大値を示した後徐々に低下しており、上向流式活性汚泥法の場合と同様、脱窒過程が抑制されたことによるものと考えられた。嫌気域のDOがかなり高くなっても脱窒が進行しており、汚泥フロック内に嫌気ゾーンが存在するものと推測された。このように、嫌気-好気活性汚泥法では汚泥の活性(硝化、脱窒、脱リン)に応じた最適な操作条件が存在した。次に、上向流式活性汚泥法および嫌気域を有する活性汚泥法における液の流れを完全混合と仮定し、汚泥フロックのモデル化に基づいて導かれた窒素除去速度式を用いた処理装置のシミュレーションを試みた。一致は必ずしも十分ではなく、速度パラメーターの算出について再検討を要したが、窒素除去率に最大値が存在することが示された。
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