研究課題/領域番号 |
63602541
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
渡久山 章 琉球大学, 理学部, 助教授 (50045001)
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研究分担者 |
大出 茂 琉球大学, 理学部, 助教授 (20117568)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 石灰岩 / 地下水 / 汚染 / 硝酸イオン / 河川水 |
研究概要 |
今年度は琉球石灰岩でできた島々の地下水に含まれている硝酸イオンに注目した。理由は、琉球石灰岩から成る宮古島(人口約5万)の地下水に硝酸イオンが年々増加していることが明らかになったからである。硝酸イオンの水質基準値は10ppmであり、年々増加しているというのは大問題である。行ったのは次のことであった。1)宮古島、伊良部島(人口約9千)、多良間島(人口約2千)、石垣島(人口約4万)、西表島(人口約4千5百)、波照間島(人口約750)の水道水中の硝酸イオン濃度の経年変化を調べる。2)宮古島、伊良部島、多良間島、波照間島で水試料を採集して硝酸イオン、臭素イオンなど化学成分を測定する。その結果、次のことが明らかにされた。1)宮古島、伊良部島、多良間島共に地下水中の硝酸イオン濃度は年々増加傾向にある。宮古島、伊良部島では10年前3ppmだったのが、今は湧水によって違うが6〜9ppmと増加している。多良間島は、これら二つの島に比べて10年前でも硝酸イオン濃度が高く(5〜6ppm)、現在では10ppmに近くなっている。2)石垣島、西表島など非石灰岩地帯の河川水の硝酸イオン濃度は0.3ppm以下である。3)波照間島は石灰岩からなる島であるが、そこの地下水の硝酸イオン濃度はこの10年間は3ppm前後である。このことと宮古島、伊良部島における10年前の値から、石灰岩でできた島々の硝酸イオン濃度は汚染が少なかった頃は3ppmくらいではないかと推定される。4)宮古島の地下水中の硝酸イオン濃度は人口密集地と畑地とで差はなかった。伊良部島の地下水は居住地域で濃度が高いものの、畑地帯の地下水の濃度増加が著しい。多良間島ではむしろ畑地帯の地下水の方が高濃度である。これらのことから硝酸イオンは畑からも供給されている可能性がある。
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