研究課題/領域番号 |
63602542
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
野見山 一生 自治医科大学, 医学部, 教授 (80048967)
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研究分担者 |
佐田 文宏 自治医科大学, 医学部, 助手 (90187154)
野見山 紘子 自治医科大学, 医学部, 講師 (70049039)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 老化 / 高感受性 / 適応 / カドミウム / トリクロルエチレン / 亜鉛 |
研究概要 |
1)亜鉛過剰摂取によるカドミウム毒性の修飾:18カ月齢、2カ月齢のラット37匹、44匹を6群に分け、亜鉛12または120mg/kgの合成飼料を1日に15g投与し、塩化カドミウムO、0.1または0.5mg/kgを週6回、14週間、背部皮下投与した。18カ月齢の亜鉛120mg/kg群では2〜3週目より死亡し始め、0.5mg/kg投与群では13週目の累積死亡率は100%に達した。亜鉛12mg/kg群でも累積死亡率は60%に達した。2カ月齢の若いラットは死亡しなかった。カドミウム毒性は、2カ月齢ラットでは亜鉛120mg/kg投与によって軽快したが、18カ月齢ラットでは増悪した。また、亜鉛12mg/kg群では、組織銅、亜鉛が高かった。以上の実験結果から、(1)老化によりカドミウム毒性は増悪する、(2)老化によるカドミウムの毒性は亜鉛過剰摂取により一層増悪する、(3)若齢では亜鉛過剰摂取によりカドミウム毒性が減弱する、(4)年齢によって生体内微量元素の代謝が異っているので、カドミウム暴露者の機能性食品の開発にあたっては、対象者の年齢を考慮する必要があることが分った。 2)亜鉛過剰摂取によるトリクロルエチレン毒性の修飾:18カ月齢、2カ月齢のラット37匹、44匹を6群に分け、亜鉛12または120mg/kgの合成飼料を1日に15g投与し、0.200または600ppmトリクロルエチレンに12週間連続暴露した。18カ月齢の600ppm群ラットは亜鉛投与量にかかわりなく体重が著しく減少し、死亡した。このほか、亜鉛120mg/kg群では、尿糖、カルシウム排泄量の著増、胸腺重量の低下がみられたが、血漿カリウムの上昇は抑制されていた。2カ月齢ラットでは亜鉛過剰投与の影響は認められなかった。以上の実験から、(1)老化によりトリクロルエチレンの毒性は増悪する、(2)老化によりトリクロルエチレン毒性の増悪は亜鉛過剰摂取により一層増悪する、(3)若齢では、亜鉛を過剰に摂取してもトリクロルエチレンの毒性は変らない、ことが分った。
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