研究課題/領域番号 |
63603502
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
魚崎 浩平 北海道大学, 理学部, 助教授 (20133697)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1988年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 光エネルギー変換 / 電子伝達 / 光電流 / 光励起電子移動 / 陽極酸化アルミニウム皮膜 / ミクロポア / 微小電極 |
研究概要 |
高効率かつ長寿命のエネルギー変換システムの構築を目的として、研究を実施した。具体的には、Ru(bpy)^<2+>_3などの増感剤で生成した光励起電子を、無機薄膜(陽極酸化アルミニウム皮膜)のミクロポア中に保持したビオローゲン誘導体などの電子伝達体を介して効率的に電荷分離することにより目標の達成を図った。本年度は計画の第一年度であり、まずアルミニウムの陽極酸化の条件(電解液組成、バイアス電圧、通電時間)と生成皮膜の孔径、膜厚との関係を把握した。ついで、陽極酸化処理をしたアルミニウムを昇束溶液に浸漬することにより酸化皮膜をアルミニウム基板から剥離し、ミクロポア側に金を真空蒸着にすることによる電極化の方法を確立した。このようにして作製した陽極酸化アルミニウム皮膜修飾電極を実際に電極として機能させるためには溶液側のバリア層を除去する必要があり、本研究では電気化学的応答をモニターしながら希薄NaOH溶液中でバリア層を除去する方法を見出した。なお、この過程で電気分析化学的に応用範囲が広いと考えられる微小電極アレイの新しい制作法を考案した。ミクロポア内壁をオクタデシルトリクロロシラン(OTS)で修飾した後、電子伝達体(オクタデシルメチルビオローゲン:ODMV)を保持した。ODMVの保持と電極との効率的電子移動は電気化学的に確認した。最後に、溶液中の増感剤(Ru(boy)^<2+>_3)と電子供与体(トリエタノールアミン)を電子伝達系とカップルさせ、電極を配置することによる光電変換を試みた。電極電位をODMVの還元電位より正にすることにより、アノード光電流が観測された。この光電流の光照射に対する応答は早く、光電流の大きさは光強度に比例し、アクションスペクトルはRu(bpy)^<2+>_3の吸収スペクトルにほぼ一致した。以上の結果はトリエタノールアミンを電子供与体、Ru(bpy)^<2+>_3)を増感剤、ODMVを電子伝達体とする光電変換システムが機能していることを示している。
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