研究課題/領域番号 |
63603526
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 要 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50024196)
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研究分担者 |
池田 章一郎 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (69024364)
前田 益伸 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40016580)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1988年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 炭酸ガス / 二酸化炭素 / 半導体光合成セル / 人工光合成 / 二酸化炭素の電気化学還元 / 二酸化炭素の固定 / ギ酸 / 一酸化炭素 / メタン / エチレン / エタノール / アセトアルデヒド / 銅電極 / 光半導体電極 |
研究概要 |
半導体光合成セルを用いた炭酸ガスの光電気化学還元によりメタン、エチレン、一酸化炭素、エチルアルコールなどの有用な高エネルギー物質を合成しようとするもので、光・化学エネルギー変換の一方法として、また、炭酸ガス濃度の増大による環境汚染防止策の一つとして重要などものである。このような光合成セルを実現するための基礎として、本年度は炭酸ガスの電気化学還元法における各種金属の触媒作用については検討し、炭酸ガスから有用な化合物を合成しうる条件について研究した。 1.各種金属電極による炭酸ガスの電気化学還元生成物 炭酸水素カリウム水溶液を電解液とし、種々の金属電極を用いて炭酸ガスの電気化学還元を行い、その生成物を分析した。その結果、α族の金属では主として水素を生成するが、すべての金属でごく微量のメタンの生成を認めた。8族の金属も水素生成効率が約100%に達しているが、微量のメタン、エタンの生成が認められた。ただし、パラジウムは一酸化炭素を12.5%も生成した。b族の金属は活発な触媒挙動を示し、銅ではメタン、エチレンなどを、銀、金では主として一酸化炭素を、また、亜鉛、カドミウム、インジウムではギ酸、一酸化炭素をかなり生成した。 2.銅電極での炭酸ガスの電気化学還元生成物の電位依存性 銅電極の触媒作用を明らかにするため、生成物組成の電位依存性を詳細に検討した。その結果、炭酸ガスの還元生成物としてギ酸、一酸化炭素、メタン、エチレン、エタノール、アセトアルデヒド、プロパノールなどを確認した。これらの生成物の組成は電位のわずかな変動によっても急激に変り、それぞれのファラデー効率-電位曲線はギ酸、一酸化炭素、エチレン、メタンの順序で貴側から卑側へ移行している。 以上の結果を基礎にして、次年度には適当な金属を組み合せることによって、より選択性のすぐれた触媒の設計を試みる。
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