研究課題/領域番号 |
63603530
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
芹澤 昭示 京都大学, 工学部, 助教授 (10027146)
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研究分担者 |
河原 全作 京都大学, 工学部, 助手 (10201451)
高橋 修 京都大学, 工学部, 助手 (40127098)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 液体金属 / 二成分系 / 二相衝突噴流 / 流動機構 / 高温面熱伝達 |
研究概要 |
液位の大きい上向き伝熱面での伝熱性能の大幅改善を図るため、本年度は通常の衝突噴流の他に、壁境界を衝突面に対向し有する衝突噴流系を検討した。この目的に沿う変形流路として周期的軸対象層流剥離による伝熱促進が期待できる「平行ノズル」や、伝熱面に垂直な方向の乱れ成分のみが選択的に増大できると言われる「1/rノズル」に気泡流衝突噴流系を用いて、その流動特性や伝熱性能の評価を行った。 (1)伝熱性能の評価:結論としては壁境界をもつ気泡衝突噴流によって伝熱性能を広範囲かつ大幅に向上させることができた。特に淀み点近傍では通常の液単相衝突噴流系によるものに比べ、凡そ3〜4倍に向上した。これは、壁境界と気泡の存在により局所乱流構造が変化したことに帰因する。また、チャンネル流れとして近似的に取扱うことが可能な領域全体で2倍程度の伝熱性能の向上が見られた。この二相流効果は気泡による液の加速度及び気泡通過時の残留液膜を通しての熱伝導の重ね合わせにより説明された。淀み点近傍とチャネル流れ領域との中間領域での流れ構造は大変複雑であり、気液間の相互干渉による乱れエネルギー散逸を極力押えるなどのノズル形状の改善を図ることにより一層の性能改善が望める。 (2)流動特性の評価:グローバルな特性としての圧力損失の観点から「1/rノズル」が総合的に優れていると判断された。また流れ構造評価のため二相流の乱れエネルギー・バランスに基づく検討を行った。また、光学的手法を用いたボイド率分布の測定結果はドリフトフラックス・モデルで近似できること、及び気液間のスリップがないこと、従って、相対運動による液の乱れ促進は伝熱促進の主因にならぬことが判明した。 (3)今後の予定:低沸点液-水、空気-低沸点液-水系による〓熱輸送効果の評価、並びに液体金属実験については現在、継続または準備中である。
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