研究課題/領域番号 |
63604003
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瓜生 敏之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80011005)
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研究分担者 |
畑中 研一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70167584)
葛原 弘美 理化学研究所, 主任研究員 (50100053)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 硫酸化多糖 / 抗エイズウイルス活性 / 抗凝血活性 / レンチナン / エイズウイルス増殖抑制作用 / ピペリジン硫酸 / レンチナン硫酸 / T細胞 / 硫酸化度 / 無水糖モノマー / 硫酸化分枝多糖 |
研究概要 |
本研究においては、未だに調べられていない天然多糖および合成多糖を硫酸化して新規硫酸化多糖を得た。硫酸化多糖の抗エイズウイルス活性、抗凝血活性を測定して、その化学構想が活性に及ぼす影響を検討した。 抗癌剤であるレンチナンの硫酸化を種々の条件で行った。ピリジン中においてクロル硫酸で硫酸化した後、水酸化ナトリウムで中和して得られた硫酸化レンチナンはグルコース1残基当たり硫酸のナトリウム塩とピリジニウム塩が略1;1に存在した。このポリマーは吸湿性であった。この硫酸化レンチナンのエイズウイルス増殖抑制作用は、100μg/mの濃度で有効に働いた。抗凝血活性は26μnit/mgであった。 ジメテルスルホキシド中、ピペリジン硫酸を硫酸化剤として用いて、70℃で硫酸化したレンチナンは硫黄含量が低く、グルコース残基当たりの硫酸エステル基の数は0.5であった。得られた多糖には、抗エイズウルス活性、抗凝血活性とも認められず、これらの生理活性の発現には、ある程度以上の硫酸化度が必要なことが分かる。 ピペリジン硫酸を用いて80℃で硫酸化したレンチナン硫酸は、非常に高い抗エイズウイルス活性を示した。S含量16%および分子量1.8×10^4のレンチナン硫酸は、エイズウイルス存在下でのT細胞培養系に添加してその活性を調べたところ、3.3μg/mlという低濃度で完全にウイルスの増殖を抑制した。一方、このレンテナン硫酸の抗凝血活性は21unit/mgと低く、市販のデキストラン硫酸のそれとほぼ同程度であった。S含量14%及び分子量4.8×10^4のレンチナン硫酸も同様に3.3μg/mlの低濃度で抗エイズウイルス活性を示した。しかし、抗凝血活性は高かった。 2種類の保護基を持つ無水糖モノマーの重合及び共重合、得られた多糖の選択的脱保護、オルソエステルによる分枝化、硫酸化によって、硫酸化分枝多糖を化学合成した。硫酸化分枝多糖はHIV活性を示した。
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