研究課題/領域番号 |
63604011
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今西 幸男 京都大学, 工学部, 教授 (00025991)
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研究分担者 |
鶴田 禎二 東京理科大学, 工学部, 教授 (90010652)
桜井 靖久 東京女子医科大学, 医用工学研究施設, 教授 (20010027)
荒田 洋治 東京大学, 薬学部, 教授 (40011499)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
1988年度: 18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
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キーワード | 細胞増殖因子 / 細胞接着因子 / 免疫グロブリン / 蛋白質構造設計 / ポリアミングラフト / リンパ球亜集団 / Field Flow Fractionation / T細胞機能的亜群 |
研究概要 |
今西は生体特異的認識機能を有するペプチド系材料の開発について研究した。PMMA膜の表面にインスリンを固定化し、その膜上での繊維芽細胞の増殖を測定したところ、スペーサーを介して固定化することにより、一層高い増殖速度が得られた。また、細胞接着蛋白質の活性部位ペプチドRGDSをPMMA膜に固定化した場合、繊維芽細胞の接着が促進され、フィブロネクチン固定化膜よりもpHや温度の変化に対して安定であった。 荒田は免疫グロブリンの構造設計と機能制御について研究した。抗原の結合の分子機能を、標識モノクローナル抗体とNMRを用いて研究し、数種の重要なアミノ酸残基を抗原結合部位に帰属し、ハプテンの結合によって抗原結合部位の柔軟性が顕著に変化する場合のあることを見出した。また、抗体から糖鎖を除去した影響が、重鎖相補性決定ドメイン全体に広がっていることを見出し、蛋白質構造設計上の重要な知見を得た。 桜井は微細構造を制御した高分子材料による細胞の特異的認識と分離について研究した。PHEMAを幹に、ポリアミンを枝とするグラフト共重合体を用い、一定の応力下でリンパ球浮遊液を流してB細胞とT細胞の分離を試みた。その結果、4℃、4.5分で、流速1.5cm/sの第一画分で、純度99%のT細胞を収率100%で回収し、流速3cm/sの第2画分で、純度99%のB細胞を収率99%で得るという、目覚ましい分離・分取に成功した。 鶴田は細胞特異的分離・認識機能を有する高分子材料の分子設計を研究した。PHEMA/ポリアミングラフト共重合体のポリアミン側鎖の第3級アミノ基の一部を四級化した共重合体を調整し、ガラスビーズにコートしてカラムに充填し、リンパ球懸濁液を流下させた。その結果、B細胞とT細胞の混合物からB細胞が優失的に分離吸着されること、一部吸着されるT細胞の主成分がヘルパーT細胞で、低いpHほど吸着されやすいこと明らかにした。また、血小板とリンパ球の吸着分離にも成功した。
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