研究課題/領域番号 |
63604018
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
甲斐原 梢 九州大学, 理学部, 助手 (90080564)
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研究分担者 |
宮川 賢治 福岡大学, 理学部, 助教授 (30037296)
岡元 孝二 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40122618)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 膜輸送 / 脂質 / イオノフォア / エラスチン / 分子集合体 / 人工細胞 |
研究概要 |
1.はじめにー主な研究費補助金の使途等。 本研究計画は、代表者及び分担者が現有する機器の活用に基づいており、研究費補助金は主として、リン脂質及びαエラスチンを始めとする試薬と試料の精製及び除塵に必要な器具の購入に充当された。 2.今年度中に得た具体的成果並びに途中経過について。 生体関連分子より構成される集合体について、その特性に基づき、選択的物質輸送過程に対する高次制御を行う生体機能材料としての可能性を検討した。細胞レベルの輸送制御機能を最終目標とし、3種の生体関連分子集合系を設定し、電気化学的測定を中心に実験を行った。イオノフォア組込重合型脂質小胞体については、膜の透過特性をより直接的に検討する目的で、パッチ・クランプ測定法を適用した。生体界面活性物質集合体の有用性を探る目的で、リン脂質逆ミセル様会合体の液体膜中での構造と機能を検討した。更に、生体弾性線維由来のαエラスチンが温度依存性のコアセルベーションを起こす事を利用し、原始細胞モデルとしての蛋白質液体膜のイオン透過特性を検討した。いずれの系でも、単一の機能性分子に依存した物質輸送過程に比して、多元的な輸送過程制御が可能である事が示唆された。今後、より有効な輸送機能分子の組み合わせの検索と共に、分子集合過程の基礎的な側面を明らかにしていく事が、系への外部環境応答性の賦与等に重要である。 3.反省と今後の展望について。 本研究で用いた3種の分子集合体の物質輸送制御機能を、人工細胞と呼び得る洗練されたレベルにまで引き上げるには、更に、倍旧の努力が必要である。生体機能材料の分野に於いては、生体システムを範とする新規分子合成による方法等と共に、生体関連分子の特異性を利用する手法も有効であり、特に薬物運搬体として実用化が有望と考えている。
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