研究課題/領域番号 |
63604511
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
舛本 泰章 筑波大学, 物理学系, 助教授 (60111580)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1988年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | ZeSe-ZnS超格子 / 歪み超格子 / 励起子 / 非線形吸収分光 / フェムト秒ポンプ / プローブ分光 / II〜VI族半導体 / 高密度効果 |
研究概要 |
1.ZeSe-ZnS歪み超格子の研究:ワイドギャップII〜VI族化合物半導体を用いた超格子は、III〜V族と比べてよりユニークな物性が期待できる。そのうちZnSe-ZnS超格子は4.5%の格子不整合を持ち、ZnSe井戸層には圧縮応力が、ZnS障壁には引っ張り応力がかかる。障壁幅を5nmに保っておいて井戸幅を小さくしていくと、結晶の一軸性歪みが大きくなるため、井戸幅4nm程度で伝導帯のバンドオフセットが負から正になり、ZnSe-ZnS超格子においてタイプI'からタイプIへの変化が起こり得るという予想がなされている。我々は井戸幅2.5nm、障壁幅5nmのZnSe-ZnS超格子中の最低エネルギー励起子について非線形吸収分光法を用いて測定を行い、飽和励起密度を求めた。光源として窒素レーザー励起の色素レーザー(430nm、7ns)を使用した。求めた飽和励起密度(4.2Kで19.0(mJ/cm^2)、77Kで24.5(mJ/cm^2))は同じII〜VI族超格子ZnSe-ZnMnSeのそれ(2.6(uJ/cm^2))に比べて極めて大きい。これは、本研究で用いられた試料では励起された電子がL.A.Kolodziejski et.al.の場合に比べて速い緩和をしているためと考えられる。また、10K付近でピコ秒紫外光を用いて発光寿命の測定を行ったところ、井戸幅、障壁幅ともに7nmのものが50ps程度なのに対し、井戸幅2.5nm、障壁幅5nmのものが200psと遅くなっていることも分かった。2.CdSe薄膜におけるフェムト秒ポンプ・プローブ分光:総合性能として、200fsの時間分解能をもつポンプ・プローブ分光計を開発し、それを用いてII〜VI族半導体(気相法で成長されたCdSeのバルク結晶(厚さ〜数十um)をイオン・ミリングによって数umの厚さにしたもの)中の高密度励起効果の超高速分光の実験を行った。
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