研究課題/領域番号 |
63604518
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井街 宏 東京大学, 医学部, 助教授 (10010076)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 血液適合性 / 抗血栓性 / 人工臓器 / 人工心臓 / 人工弁 / ポリウレタン |
研究概要 |
本研究は、新しい評価方法を用いて長期の血液適合性の発現機序や破錠の原因を明らかにし、血液適合性材料の設計条件を確立する基礎を築くとともに、そこで見い出された新しい血液適合性材料を人工臓器に応用することを目的としているが、本年度は以下の研究成果を得た。 1)ポリウレタン系材料のin-Vitroとin-ViVoでの血液適合性の比較7種類のポリウレタン系材料に関して、in-Vitroの実験を行い、極表面N原子密度と全血凝固時間、接触相括性と補体系活性、補体系活性と全血凝固時間などの相関に新しい知見を得た。いっぽう、in-ViVoの実験では各材料間に再現性良く明瞭な抗血栓性の差異があることが見い出された。けれども両者に共通した知見としてはKP-13が極わだって優れた抗血栓性を示したということのみで、基本的にはin-Vitroとin-ViVoの抗血栓性の相関は認められないことが明らかになった。 2)KP-13の人工心臓材料としての抗血栓性の評価 上の実験で最も優れた抗血栓性を示したKP-13をPVCペースト製人工心臓内面全体にコーティングし、ヤギの完全人工心臓、左心補助心臓として長期の実験を行った。その結果、ポンプ流量が極端に少くならない限りは本材料は非常に優れた抗血栓性を示すこと、流量が減少すると血栓形成が見られるが、その程度は従来用いられてきたカルディオサンと比較すると軽度であることなどが明らかにされた。 3)高分子膜製人工心臓用弁の開発とそのin-Vitro、in-ViVoでの評価 三尖弁を模した高分子製の人工弁は人工弁の理想と考えられているが、強度、抗血栓性、成型性の点で実現していない。そこでこれまでの弁と発想を変えたJelly fish弁と称する新しい人工弁を考察し、in-ViVoおよびin-Vitroでの性能テストを行った。その結果、この弁が非常に優れた性能と耐久性を有していることが明らかになった。
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