研究課題/領域番号 |
63604522
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木下 實 東京大学, 物性研究所, 教授 (40011530)
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研究分担者 |
菅野 忠 東京大学, 物性研究所, 助手 (60134657)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1988年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 有機強磁性体 / 強磁性的相互作用 / 分子間相互作用 / 有機結晶 / ラジカル / ガルビノキシル / フェノキシラジカル |
研究概要 |
昨年度までのガルビノキシルに関する研究により、この結晶内で働く強磁性的な分子間相互作用の作用機作について、一定の考え方に到達した。今年度は、その考え方に基づいて、フェノキシ系のいくつかの化合物を設計・合成し、その磁性を調べ、スピン非制限分子軌道計算の結果と対比検討した。すなわち、2,6-ジ-t-ブチルフェノキシの4の位置に種々の置換基を導入し、その分子間相互作用の符号、大小関係を調べた。置換基を、t-ブチル、フェニル、ゼニルと変えて行くと、分子のπ-系が発達するが、それに伴って非結合性軌道と最高被占結合性軌道のエネルギー差が縮まり、相対的にスピン分極の影響が顕著になり、ガルビノキシルの電子状態に近づく。これに伴って、分子間相互作用が弱い系、反強磁性的な系、弱い系と変化する。最後の弱い系についての解釈が現在のところ二つに分かれ、最終的な結論を得るには至ってないが、この設計方針が妥当であるとの感触を得ている。今後、この方針に則った研究を、より適切な分子設計によって進めて行きたい。
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