研究課題/領域番号 |
63604543
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
住友 宏 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023372)
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研究分担者 |
小林 一清 名古屋大学, 農学部, 助手 (10023483)
岡田 鉦彦 名古屋大学, 農学部, 助教授 (20023103)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アンヒドロ糖 / 開環重合 / 分子生体機能 / 分子認識 / 合成多糖 / 糖質重合体 / 生医学材料 / 生体機能材料 |
研究概要 |
生体組織や細胞における複合多糖の機能の解明が進むにつれて、機能物質としての多糖の重要性が位置団と注目されている。本研究では、生体機能材料開発の基礎研究として、アンヒドロ糖誘導体の開環重合法およびオリゴ糖スチレン誘導体のラジカル重合法を応用して、以下の重合体の構造制御合成を行い、若干の分子生体機能を明らかにした。 1.親水性多糖セグメントと疎水性の多糖骨格セグメントとからなる両親媒性ブロック共重合体 アンヒドロ糖誘導体の開環重合を行って、還元末端に反応性塩素を有する(1→6)-α-D-グルカン誘導体を合成した。これを高分子開始剤として用いて、疎水性セグメントとなる双環アセタールを重合させたのち、保護基をはずして目的物を得た。 2.(1→6)-β-多糖の合成 (1→6)-β-グリコシド結合からなる多糖をアンヒドロ糖誘導体の開環重合により化学合成することは、従来困難であるとされていたが、次の二つの方法によりその合成に成功した。(a)成長反応におけるオキソニウム交換反応を利用する方法;(b)成長反応における隣接基関与を利用する方法。 3.オリゴ糖を側鎖にもつ糖質重合体 (a)セロビオースやメリビオースなどの二糖を出発物質に用いて、オリゴ糖置換スチレン重合体を合成し、それぞれが血管壁細胞および赤血球と特異的に相互作用することを見出した。(b)デオキシ化アンヒドロ糖の二糖誘導体の重合により、櫛型分枝多糖を合成した。(c)ガラクトース糖鎖を側鎖にもつポリペプチドを合成した。 得られた多糖はいずれも、分子認識・細胞認識能に基づく多糖の精妙な生体機能の本質を、分子あるいは細胞レベルで解明するモデル物質となるとともに、新しい生医学材料や薬理活性物質として役立つものである。今後、生体機能材料の開発と複合効果の発現をさらに目指したい。
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