研究課題/領域番号 |
63604545
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川上 雄資 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80109280)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ポリジメチルシロキサン / マクロマー / グラフト重合体 / 気体透過 / 溶解度 / 膜 / 表面修飾 / 相分離 / ガラス転移温度 / オリゴシロキサン / 側鎖の運動性 / スピン-スピン緩和 / 拡散係数 |
研究概要 |
グラフト共重合体の界面での配向を利用する分離機能材料の開発の原理を確立するために、界面活性グラフト共重合体添加による表面修飾膜の形成、透過チャンネル形成を試み、併せて固体状高分子膜を通しての気体透過を支配する因子の解明を目指した。まず、グラフト共重合体の界面濃縮を利用する表面修飾が、溶解度係数の向上を通じた透過係数の上昇、および透過選択性の向上に有効であることを見いだし、実用膜である、ポリジメチルシロキサン-ポリカーボネートを含フッ素ポリマーを用いて表面修飾し、その性能を向上させた(Polym.Bull.)。現在、より基礎的な知見を得るために、空気-水界面でのグラフトポリマーの構造について検討中である。また、構造の明確な、両親媒性のグラフト共重合体のミクロ相分離構造を利用し、透過チャンネルを形成させた(Polym.Bull.)。さらに、気体透過チャンネルで、透過選択性を与える官能基としてのCo-サルコミン錯体を、ブロモメチル基を利用してポリマーへ導入できる見通しを得た。 一方、種々の構造のオリゴジメチルシロキサンをP-置換基とするポリスチレンにつき、ポリマーの性質に及ぼす側鎖の影響について検討し、シロキサン結合は、主鎖ポリマーのガラス転移温度を非常に有効に下げ、固体状態での、高分子鎖間の間隙の制御に重要な役割を果たすことを明らかにした。また、核磁気共鳴による緩和現象の測定により、シロキサンスペーサーを導入すると、側鎖は溶液中に匹敵するぐらい自由に運動することを定量的に解明した。さらに、ガラス転移温度、スピン緩和、拡散係数を対応させることにより、側鎖の運動性が気体の透過性を支配することを明らかにした。なお、熱機械的分析装置を購入して、ポリマーの固体状態での構造を検討するなど、作業の効率化を行った。
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