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負のスピン密度からの有機強磁性体へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 63604555
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

山内 淳  京都大学, 教養部, 助教授 (10027071)

研究分担者 出口 安夫  京都大学, 教養部, 教授 (90025255)
研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード電子核二重共鳴(ENDOR) / 三重共鳴(TRIPLE) / 負のスピン密度 / 有機強磁性体
研究概要

本研究は、電子スピンの分子上での分布を電子スピン共鳴(ESR)、電子核二重共鳴(ENDOR)で検出し、分子間の相互作用を論じるのであるが、さらに三重共鳴法(TRIPLE)により、電子スピンの正負の符号をも確定し、分子間の強磁性相互作用の可能性をさぐることにある。
溶液ラジカルの二重、三重共鳴は信号検出が容易でなく、スペクトル検出条件となる要因が多い。従って、その実験方法を確立することがまず重要となるので、研究の頭初はENDOR装置の改良整備を行った。まず空洞共振器(キャビティ)部分の改良をし、モデル試料を用いて、信号検出の高感度化およびダミー信号の除去に努めて本研究装置の整備を行うと共に、信号検出の最適条件を見出すことを行った。
対象となるラジカルはカチオン、アニオン、中性ラジカルがあるが、今年度は中性ラジカル(t-ブチル、フェニル酸化窒素)を重点的にENDORおよびTRIPLEの測定を行った。負のスピン密度はベンゼン環上に存在すると予想されるが、まず、ENDoRスペクトルにより、窒素、ベンゼン上のオルトおよびパラ水素、メタ水素、t-ブチル水素の結合定数が決定された。これらの値はESRスペクトルからの値ととほぼ一致する。次にTRIPLEを行ったところ、ベンゼン上のオルトおよびパラ水素と、メタ水素の信号の挙動が対照的であり、スピン密度の符号が反対であることが明らかになった。従って、メタ位の炭素上の負のスピン密度が確認されたが、その定量的な大きさは、t-ブチル基の立体障害により、減少されており、分子間に強磁性的相互作用を生みだすには分子ができるだけ平面的である方が有利であることが示唆された。
今後の研究の展開としては、アニオンラジカルのTRIPLEを行うことによって、負のスピン密度を有する対照分子種をふやし、負のスピン密度出現の特徴を明確にし、有機強磁性体の可能性を追及する。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] K.Kawamura・J.Yamauchi・Y.Deguchi・H.Ohya-Nishiguchi: Bull.Chem.Soc.Japan. 61. 181-186 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] J.Yamauchi・S.Yano: Makromol.Chem.189. 938-950 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] T.Sugimoto・M.Misaki・T.Kajita・T.Nagatomi・Z.Yoshida・J.Yamauchi: Angew.Chem.Int.Ed.Engl.27. 1078-1080 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] J.Yamauchi・Y.Deguchi: Canad.J.Chem.66. 1862-1868 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 藤田英夫・山内淳・大矢博昭: 日本化学会誌. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 山岡昭美・松井哲治・池本勲治・山内淳: 日本化学会誌. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 山内淳・谷口仁・平山鋭・東長雄: 物理化学の基礎. 1-220 (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 大矢博昭・山内淳: 電子スピン共鳴-素材のミクロキャラクタリゼーション-. 1-260 (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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