研究課題/領域番号 |
63604556
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中辻 博 京都大学, 工学部, 助教授 (90026211)
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研究分担者 |
森島 績 京都大学, 工学部, 助教授 (50026093)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 表面 / 化学吸着 / 触媒作用 / 銀 / プラチナ |
研究概要 |
本研究は、金属や半導体の表面と分子との相互作用、その代表例である固体触媒作用などに理論的・分子工学的見地から光をあて、その電子過程の解明に基づいて、表面と分子が関連する材料設計に有用な知見を見いだすことを目的としている。本年度は、昨年度に提出した表面-分子相互作用系の理論、dipped adcluster model(DAM)を用いて、電荷移動の大きな表面-分子相互作用系の研究を行った。 1.銀表面における酸素分子の化学吸着---銀は酸素分子を吸着しエチレンの部分酸化反応によるエチレンオキシドの生成に極めて有用な触媒活性を示すが、その触媒機構は明らかではない。本研究では銀触媒による酸素分子の活性化をDAMによって研究し、吸着過程における銀から酸素分子への電荷移動の重要性、吸着酸素分子の構造、電荷分布、反応性、吸着安定化エネルギーについて計算した。エンドオン構造が安定で金属に近い方の酸素がより負に帯電しているが、反応性は金属から遠い方が高い。吸着エネルギーは吸着構造によってかなり異なるが、酸素分子の反応性はさほど変化しない。解離過程については、現在研究中である。 2.アルカリ金属のPt表面への吸着---アルカリ金属が触媒表面に吸着すると、一般に表面の仕事関数の値が低下し、これによって、電荷移動型の触媒反応をよりスムーズに進行させる働きがあり、助触媒作用として知られている。ただ、そのメカニズムはより複雑であることが知られており、必ずしもよく分かっていない。本研究ではDAMによってLi_2分子のプラチナ表面への化学吸着を研究した。その結果、吸着の進行と共に表面の仕事関数が低下し、その作用は、Ptの基底状態ではなく励起状態が関与していることが明らかにされた。
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