研究課題/領域番号 |
63604568
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
城田 靖彦 大阪大学, 工学部, 教授 (90029091)
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研究分担者 |
野間 直樹 大阪大学, 工学部, 助手 (70208388)
野上 隆 大阪大学, 工学部, 講師 (80029280)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 導電性有機錯体 / 導電性高分子 / 電気化学的結晶成長法 / 電気化学的ドーピング / 電荷移動錯体 / ビスビニレンジチオテトラメチルチアフルバレン / ポリ(2-N-カルバゾリルエチルビニルエーテル) |
研究概要 |
新規低分子有機錯体および新規導電性高分子の合成ならびにそれらの構造と電子物性の解明を目的として研究を行った。低分子物質については1分子中に多数のカルコゲン原子を有する新規ドナー分子、ビスビニレンジチオテトラチアフルバレン(TV)およびそのジメチル置換体(DMVT)、テトラメチル置換体(TMVT)、テトラキスメチルチオビスビニレンジチオテトラチアフルバレン(TMTVT)、4,5-エチレンジチオ-4'、5'-ビニレンジチオテトラチアフルバレン(EVT)、を合成した。電気化学的結晶成長法で合成した多くのVT錯体は、金属的伝導性を示すが、低温で絶縁体に転移する。VT、DMVT、TMVTと強い有機アクセプター(テトラフルオロテトラシアノキノジメタンなど)との電荷移動錯体は、加圧成形試料で10^0〜10^<-2>S/cmの比較的高い電導度を示し、電導度はドナー分子とアクセプター分子の酸化還元電位の値から説明できることがわかった。高分子については、電気化学的手法により側鎖に大きなπ電子系を有する導電性高分子を合成し、それらの構造と電導度との相関について研究を行った。カルバゾール基を側鎖に含む高分子、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVCz)、ポリ(2-N-カルバゾリルエチルビニルエーテル)(pCEVE)およびポリ(N-グリシジルカルバゾール)(pGCz)、の構造と電気化学的ドーピングによって生成する高分子の共役ビカルバゾール基の割合ならびに電導度との相関について検討した。電気化学的ドーピングによって得られた高分子中に含まれる共役ビカルバゾール基の割合は、同一条件下、pvCz<pGCz<pCEVEの順に大きくなり、電導度は、PGCz(2×10^<-7>S/cm)<PCEVE(2×10^<-5>S/cm)【.apprxeg.】PVCz(2×10^<-5>S/cm)であり、高分子の主鎖及び側鎖の動き易さ、及び側鎖カルバゾール環のπ電子相互作用の大きさを反映する結果が得られた。また、コロネン基を側鎖に含む新規半導体高分子をビニルコロネンの電解重合によって合成した。
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