研究課題/領域番号 |
63604571
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
小林 洋志 鳥取大学, 工学部, 教授 (40029450)
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研究分担者 |
吉山 秀樹 鳥取大学, 工学部, 助手 (90191650)
田中 省作 鳥取大学, 工学部, 助教授 (90032284)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アルカリ土類硫化物 / 希土類イオン / 薄膜エレクトロルミネッセンス / 薄膜成長 / 格子欠陥 / 励起機構 |
研究概要 |
アルカリ土類硫化物半導体(CaS、SrS)は、有望なカラー薄膜エレクトロルミネッセンス(EL)材料である。しかし、CaS、SrSはイオン性が強く、このため、良質の薄膜を作製することが難しい。本研究では、まず、CaS、SrSの成膜方法の最適化を行い、次に、薄膜成長機構を検討した。さらに、CaS:Eu、SrS:Ce薄膜EL素子を作製し、EL励起機構について検討を行った。得られた結果を以下に記す。 1.電子線蒸着法により、基板温度を制御して、CaS、SrS薄膜を作製した。そして、基板温度が薄膜の化学結合状態に与える効果をXPS法により調べた。その結果、基板温度を上げると、Ca(Sr)と結合していないSが現象して、結晶性が向上することがわかった。 2.CaS、SrS薄膜の成長面は、蒸着時の基板温度を高くすると、(200)→(220)→(111)と変化する。我々は、核成長のモデルを用いて薄膜成長機構を検討し、次の結果を得た。(1)核成長の初期段階においては、表面エネルギーの小さい面が成長しやすい。(2)基板温度が高くなると、吸着原子の脱離が起こり易く、表面エネルギーの小さい面ほど不安定になりやすい。(3)吸着原子は結合の弱い不安定な状態である。 3.CaS:Eu、SrS:Ce薄膜EL素子の(EL特性を検討し、次法)EL励起モデルを提案した。(1)ホットエレクトロンによる発光中心(Eu、Ce)の衝突イオン化が生じる。(2)イオン化した発光中心は伝導電子を捕獲し、5d励起状態になる。(3)発光中心は5d→4f許容遷移により発光する。 この励起モデルでは、バンド電子と発光中心の相互作用が重要である。混成相互作用を考慮して、モデルハミルトニアンを作り、CaS、SrS薄膜EL素子の種々の特性を矛盾なく説明できることを示した。さらに、発光中心のイオン化を検証するために、光誘起移動電荷量の測定を行った。その結果、発光中心が電界により容易にイオン化することを確認した。
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