研究課題/領域番号 |
63604572
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
平野 茂博 鳥取大学, 農学部, 教授 (90032292)
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研究分担者 |
近藤 陽太郎 鳥取大学, 農学部, 助教授
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | キチン / キトサン / リゾチーム / 薬物徐放基材 / 径口投与基材 / 消化率 / 基質特異性 |
研究概要 |
1)キチン・キトサンの酵素分解制御のin vitro試験 生物組織内にキチンを加水分解するリゾチーム酵素の基質特異性を利用した生物組織内吸収材料開発を目指して、N-アシル構造と置換度の異なるN-アセチルキトサン誘導体を調整し、これらのリゾチームによる酵素分解性をin vitroで調べた。(1)N-アシル基のαやβ炭素のH基をSH、ハロゲンなどで置換すると酵素分解されなかった。(2)N-アシル基のαやβ炭素のH基をにNH_2、OH、CH_3基で置換すると酵素分解されたが、その反応速度は低下した。(3)N-アセチル基の置換度は酵素反応速度を制御し、置換度0.5-0.8付近で反応速度は4倍以上に高くなった。(4)過ヨウソ酸酸化でキチン鎖の非還元末端にアルデヒドの導入は酵素分解性を高めたが、水素化ホウ素ナトリウムによるキチン鎖の還元末端にアルコール基の導入は酵素分解性に影響しなかった。これらの結果から、リゾチーム酵素分解速度はキトサンのN-アシル基の構造と置換度で制御でき、キトサンはin vio消化性のDDS基剤になると結論される。 2)径口投与用のDDS基剤 産卵用および肉用鶏を慣用飼料に2%キトサン(0.7gキトサン/Kg体重/日)を添加して飼育し、ふん中のアミノ糖(加水分解後)を定量してキチンとキトサン消化率を算出した。(1)産卵用および肉用鶏はキチン、N-アセチルキトサン(再生キチン)、キトサンを75-95%で消化し、(2)N-ステアロイルキトサンを消化しなかった(これはin vitro結果に一致した)。(3)兎におけるキトサンの消化率は経日的に上昇し15日目で79%に上昇した。これらの結果から、キトサンは薬物の消化管指向性を目指した経口投与用担体に有用で、その消化率はN-アシル基の置換度と構造で制御できることが解る。(今後の計画)(1)筋肉、皮下注射および埋め込み用のDDS基剤、(2)静脈注射用のDDS基剤の開発。
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