研究課題/領域番号 |
63604584
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
栗田 恵輔 成蹊大学, 工学部, 教授 (30102180)
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研究分担者 |
小山 義之 成蹊大学, 工学部, 助手 (00162090)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | キチン / 水溶性キチン / アミノ酸NCA / グラフト共重合 / ポリペプチド複合体 / 膜透過機能 / トシル化キチン / ヨウ素化キチン |
研究概要 |
特異な不斉場をもち、しかも化学修飾の点で大きな可能性を有すると期待される高分子素材として天然アミノ多糖であるキチンを選び、機能発現のための基礎研究を行い、ほぼ所期の目的を達成することができた。 1. ポリペプチド側鎖の導入:水溶性キチンのアミノ基を利用したアミノ酸NCAのグラフト共重合反応を検討し、ポリ(γ-メチルL-グルタメート)にひきつづき、ポリ(L-アラニン)を高い効率でキチンに導入した。これらのキチン/ポリペプチド複合体の物性は側鎖により大きく影響される。また、側鎖ポリ(L-アラニン)末端に数段階の反応を経て補酵素NADHの活性部位を固定化することに成功した。 2. キチン/ポリペプチド複合体の膜透過性:上記のキチン/ポリ(γ-メチルL-グルタメート)複合体を製膜した。得られた膜を1組のセルに挟み、25℃において尿素および食塩の透過速度を測定し、複合体の膜透党過機能および側鎖ポリペプチドの重合度の影響を調べた。その結果、側鎖重合度が4程度まではほぼ一定の高い透過速度を示したが、それを越すと急激に低下し、重合度10以上では一定になる傾向を示した。側鎖の高次構造による透過性の制御が可能であることが示唆された。 3.キチンのヨウ素誘導体の調整とグラフト共重合:不溶性のキチンに対して広範囲な化学修飾を可能にする前駆体を調整した。まず、キチンとトシルクロリドとの反応によりトシル化キチンとした。これをヨウ化ナトリウムで処理してヨウ素化キチンが得られた。ヨウ素化キチンを用いた修飾の一例としてスチレンのカチオングラフト共重合を試みたが、SnCl_4を使うと効率的な共重合が可能であることを明らかにした。多岐にわたる化学修飾の前駆体として有用であると期待される。 4. 種々の置換基の導入:アミノ基とメルカプト基を各種の方法で導入することを検討した結果、いくつかの有望な方法を見いだした。
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